![]() 銀座の画廊、ガーディアン・ガーデンでちぇんしげ展「《壽桃》壽レ桃」を見ました。 ちぇんしげ君は台湾の作家です。 キッチュで安っぽい雰囲気満載なのが楽しい、肩の凝らない作風です。 と、真面目に考える事もないか。 ![]() 僕は基本的にこういう展示は大好きです。 こんな所にダラダラいるとくつろぎますね。 あれこれ見ていると、変な小発見もできそうです。 ![]() ちぇんしげ君は一つ一つの作品というよりも、集合的にアジア的なゴチャゴチャ感のある今回のような展示で力を発揮しそうです。 トータルな空間性にもっと工夫をして猥雑感を出せれば、より素晴らしいチープ・パラダイス世界を生み出す事ができるでしょう。 但し、今回はオレンジ色のスツールが作品より目立ってしまったのが失策かも。 ・・・と勝手な事を言っていますが、この作家について何も知りませんけどね。 ![]() 帰り道にふと思いました。 我がガイア・アソシエイツの事務所(アトリエ)って、初めて来た人はこの展示と似たような印象をもつのかもかもな~。 KS |
![]() DAVID BOWIEの1974年のアルバム「DIAMOND DOGS」についてです。 と言っても、僕が紹介する必要もない有名なアルバムですけど、前回ブログからの「犬」繋がりで・・・。 実はこのアルバム・ジャケット、世の中のアルバムの中で最も嫌いなデザインのひとつです。 発売当時はレコードだったのでジャケットがでかく、こんなもの余計に買う気がしませんでした。 という事で長い間聴く気にもなりませんでしたが、何となく気にはなっていました。 ご存知ボウイ君は70年代前半のグラム・ロックの流行で有名になりました。 気持ち悪いメイク、気持ち悪い衣装、気持ち悪いステージ、両刀使い・・・ 当時の、特に堅気なロック少年達は敬遠していたのでは。 グラム・ロック自体バカにされてましたしね。 レコード・ジャケットも気持ち悪いものが多いので、音楽もゲロゲロかと思えば、至ってポップで聴きやすいので肩透かしだったのも覚えています。 ボウイ君自身が演じる架空のロック・スター、インチキ臭い自身のギター演奏(バックのミック・ロンソンのギターは最高)、どこかで聴いたようなフレーズを臆面もなく用いる曲想、カメレオン的に節操もなく変化する音楽スタイル・・・もB級感を漂わせていました。 こいつは「中身のない気取り野郎」だろうと長年思っていました。 が、2017年の「DAVID BOWIE IS」という回顧展を見て、こいつはなかなかの「ヘンポコなヘンテコ野郎」だという事が分かり、最近になって親しみがわいた次第です。 死んじゃったけどね。 ボウイ君のアルバムで最高傑作は1972年の「THE RISE AND FALLl OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS」だと思いますが、長年聴いて耳にタコができ、今はあんまり聴く気がしません。 ![]() 通ぶった人は1977年からのベルリン三部作、遅れて来たミーハーは1983年の最も売れた最悪アルバム「レッツ・ダンス」を一番だと選ぶかもしれません。 (話は違いますが、ミュージシャンの最高傑作アルバムを知りたい時、通ぶった人に聞くとベタな代表作を避ける傾向がありますので、お気をつけくださいませ。 ビートルズと言えば「リボルバー」だな、とか言うんですよ、そういうひと。) 今回、なぜボウイ君のアルバムの中で「ダイアモンドの犬」かというと、楽曲や作品としての纏まりがかなりのレベルなのです。 長い間気持ち悪いジャケットに騙されていました。 要は、ジャケットと内容とのギャップに感銘を受けたのです。 グラム・ロックから心機一転を考えたようですが、それ以前とあんまり変わり映えしない音楽性でありながら、なかなか聴かせるグラム・ロック的なアルバムになっています。 オーウェルの小説「1984年」に影響されているらしいのは、単純でヘンポコですけどね。 僕は特にボウイ君のファンではないのですが、何となく長年聴いています。 なぜなんでしょう。 KS |