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芝園団地に住んでいます
芝園団地に住んでいます
大島隆の「芝園団地に住んでいます:住民の半分が外国人になったとき何が起きるか」を読みました。

芝園団地はうちの家族には馴染みがありました。
埼玉県にある蕨駅から家族が入っていた老人ホームへ行くのに、この団地の中を通っていくのが近道だったのです。
当時は中を通っていても、特に中国語が聞こえるとか、中国の店ばっかりだなぁとか思わなかったのですが、その後どんどん増えて、ついに日本人より多くの中国人が住むようになったそうです。

2457世帯のうち、日本人世帯が1000世帯ほど、残りのほとんどが中国人世帯だそうです。
そのうち自治会費3000円を払っているのが500世帯で、全員日本人。(と言っても半分の日本人も払ってませんけどね。)
そうなってくると、いろいろ問題が出てきます。
・自治会主催の夏祭りとか餅つき大会に、お金を払って準備と後片づけをするのは高齢の日本人、何もしないで楽しみに来るのは若い中国人。
・ごみ捨てのルールを守らないのは中国人。迷惑を受けるのは日本人。
・夜遅くまで広場で騒ぐのは中国人。高齢者が多く、夜寝るのが早い日本人には迷惑。
などなど、だんだん不満がたまってきます。

しかし、そこで著者はハタと気が付きます。
これはまさしく、アメリカで起こっているトランプ現象と同じではないか?
そもそも著者は、ベトナム系アメリカ人と結婚し、2児を設けたあと離婚して、家族はアメリカに住んでいます。
そうすると、昨今の移民や外国人に厳しい政策をとるトランプにあおられて、子供たちにも危険が及びかねないことを肌で感じています。

つまり、移民が入って来て、自分たちが脅かされていると感じるのは、こういう時なのです。
ここで長く暮らし、子供たちを育て、和気あいあいとみんなでやってきたのに、はっと気が付くと、周りは中国人ばかりになっていて、自分たちとは異なる文化圏を作ろうとしている。
店もクラブも、日本人の昔馴染みは消えて、代わりにさっぱりわからない言葉を話す外国人のものに取って代わられている・・・。
しかも日本のコミュニティーの良さである、古き良き慣習には興味を持たない・・・。

それでは、どうすればいいのか?
・自分たちが脅かされているという感じている人に、「既得権を手放しなさい。」とか「今はもう昔と違うんだ。」というだけでは何も変わらない。その人達は耳をふさぐだけ。それより、彼らの声にきちんと耳を傾ける。
・そのうえで、受け入れる側の意識も少しずつ変えていくよう、働きかける。
・多様性を尊重しつつ、連帯や協力を重んじる価値観を育てる。同調圧力はNO GOOD。

といっても、そんなに難しいことではありません。
まず、知っている中国人に声をかけて、自治会にも参加してもらう。
それからその人の知り合いを自治会の行事に連れてきてもらう。
中国人・日本人・その他の外国人でお茶会を楽しむ・・。
などなど、地道な取り組みから始め、その活動が注目されて、いろいろ賞を受けたりしているそうです。

そもそも日本人は、外来文化を上手く受け入れて、日本化させるのが得意ではありませんか。
いっしょに異文化を楽しむ懐の深さも持ち合わせていると思います。
ここでも、日本人は高齢化し、もはや若い外国人を受け入れなければ、自治会も成り立たなくなってきています。
必要に迫られているのです。

芝園団地の現在は、世界が直面する現在でもあり、近未来の日本の姿でもあると著者は訴えています。

SS

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[2020/07/30 08:11] | | page top
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