ガイア・アソシエイツで設計したコシ産婦人科医院リプロダクション(不妊治療)部門の紹介の続きです。
今回は医院へのアプローチ(玄関に至る通路)について。 アプローチは初めて来る人にとってとても重要、第一印象を左右します。 それが心地良ければ2回目からも楽しく来られますよね。 このリプロダクション部門は医院の2階フロア全体を占めています。 2階へは、外部から直接のエレベーターか、1階の医院もしくは専用玄関からの階段でアプローチします。 次の写真が改修前の階段です。 ![]() 1階の産婦人科医院の内装は、ガイア・アソシエイツで以前に設計したもので、雰囲気はガイア的サイケデリア。 今回の2階リプロダクション部門のバリ風とは全くデザインが異なります。 ということで、1階と2階とをつなぐ「階段」はどちらのデザインとも違うものにしたい、と考えていました。 トンネルを抜けると「何だここは」みたいな。 けれど医院ということもあるんで、あまりぶっ飛んだこともできないかな、などとも思っていました。 ところがある時、建築主から「階段は青の洞窟みたいなのはどう?」と言われました。 (レトルトのパスタソースのことじゃなくてイタリアのカプリ島の方ね。) 勿論、その通り作るのではなくて、そんなイメージという意味だと思いますけど。 行ったことないけれど本物はこんな感じ。 ![]() それであれば1階と2階のデザインとも全く違うし、青いトンネルを抜けるような効果も出ると思い、「ぜひやってみまひょ~。」ということになりました。 建築主がそこまで思い切ったイメージをしているのであれば、こちらも張り切れるというものです。 けれども、既存の階段室の床を青くするだけでは洞窟の雰囲気は出ないと思われたので悩みました。 文化祭じゃないんでチャチな感じになるとまずいし。 床には水は張れないし、余り暗いのも危なっかしいですしね。 結論としては、壁・天井は同じ素材で青く包み込むようにし、床は青とグレーの市松模様にしてメリハリをつけ、医院の階段としての安全性も確保しました。 階段室にある既存の窓は日光が燦々と入ってシラケるので、ガラスに青いフィルムを貼りました。 本当の青の洞窟とは様相は違うけれど、面白くなりそうです。 次の写真は1階の専用の入口から入った所です。 既存のニッチのような意味不明だった(段裏)部分には、最初から割れているタイルを貼って、何となく洞窟っぽさ(?)を出しました。 (写真は扉を開けて外光を入れて撮影しているので、実際よりも明るい感じになっています。) ![]() 次の写真、一番上の改修前の写真と比べてみてください。 同じ階段とは思えないですよね。 1階床には魚の動画を映写し、水底から上がっていく雰囲気を出しました。 ライティングダクトに引掛けるだけで映写できる簡便な映写装置(スペース・プレーヤー)を使いました。 本体は若干大きめですが、別置きの機械が不要なのでとても便利です。 ソフトの構成は弟に頼みました。 初めてここを通る人は、驚いてつい足をひっこめてしまうようです。 ![]() 次の写真は2階リプロダクション部門玄関です。 突然アジア的な設えもあり、おっという感じがしませんか。 (余談ですが、濃い青と濃い茶色は相性が良いです。) この階段、3階まであるのですが、全てこの青いデザインにしてしまいました。 ![]() 次回は、2階のリプロダクション部門に入ってみましょう。 KS |
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