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月へ行く30の方法
恵比寿映像祭2024-
恵比寿にある東京都写真美術館を中心に開催されている「恵比寿映像祭2024 月へ行く30の方法」を見ました。
(今回のポスターは陰気で・・・今までで最悪)

毎年恒例で見に行っています。
立派な展覧会なのですが、展示は無料というのも良いですね。
地域連携会場もあちこちにあるので、この近所に住んでいると楽しそうです。

ぱっと見、難解な作品もありますが、解説をよくよく見なくても自分なりに解釈して楽しめるものもあります。
次の金仁淑の作品がそうです。
「House to Home」というタイトルで、筑80年の古屋を改修してみんなが集える家に作り替えます。
それから知人、友人、そのまた知り合いなどに声をかけ、その家に食べ物・飲み物を持って集まり、「家族」について話をしてもらいます。
集まった人たちは、それぞれ自分の家族について話したり、家族というものを自分はどうとらえているかを話し合ったりします。
一緒に食事をして家族について話すうち、人々は親しくなってつながりができてきます。
1人の人と知り合うということは1人の人生と知り合うことで、そうやって人間は繋がっていくのだと実感します。
それをいくつものモニターで同時上映して見せるので、最初部屋に入った時、いろいろな人がいっぱいいるのかと思いました。
それぞれが思い思いの「家族観」をしゃべっているので、かしましいのです。
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2階の会場は次のような感じ。
広いスペースの一角を、それぞれの作品が占めています。
まぁいつもそうなのですが、すいているので見やすいです。
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その中で印象に残ったのが次。
周慶輝の「人的荘園NO.02」です。
英訳は「Animal Farm」、あぁそっちの方がピンときますね。
小さい写真だと分かりにくいのですが、暗い建物の中のような外のような空間に、いろいろな人がいます。
酒を飲んでいるような親父もいれば、カウンターの中で仕込みをしているような人もいます。
でもなんだか変です。
こっそり足元に動物がひそんでいたり、登場人物は互いが目に入らないような雰囲気で、それぞれが孤独感を漂わせています。
この人たちはここで飼われているような感じです。
写真ではないような質感なので、「これは写真ですか?」と聞いてみましたが、係の人も良くわからないようでした。
周慶輝 人的荘園NO02-

次は荒木悠の「ROAD MOVIE」です。
アメリカの道路沿いにあるレストランで出される食事を延々並べて見せているのですが、これがほんとに一本調子。
ハンバーガー、ステーキ、ホットドック、フレンチフライ、ピザ、もうそればっか。
この人たちは野菜料理とか食べないのかね?
そのうえ、そのアメリカンフードを食べ続ける4人組の動画もあって、見ているだけで胸が悪くなります。
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次は、私の中ではもっとも素直に「あぁ月だな」と感じられるものでした。
今回の映像祭のテーマが「月へ行く30の方法」なのですが、例によってテーマとは全然関係ないものも多かったので。
円状のスクリーンに水彩画のような絵が映し出されているのですが、その手前にお盆のような丸い物体が吊り下げられていて、その影がスクリーンに黒く投射されます。
そのお盆(?)がわずかづつ回転するので、影も太ったり痩せたり、月の満ち欠けを見るように変化していきます。
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次はよくわからなかったのですが、どうやら砂の入った袋に水を少しづつ落として、ろ過する装置のようです。
それの経過を記録した映像と、ろ過装置の模型が展示されているようです。
自然の力と時間の経過をテーマにしたのでしょうか。
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次の部屋にはわけわからん系のオブジェが並んでいて、どこに映像があるのかと思えば、実は右奥の黒っぽい蚕のような繭の中にひっそり映像が仕込まれています。
見落とすところでしたよ。
水面のような静かな映像が流れていました。
右手前の白いオブジェは、よく見ると赤い毛糸が頭に乗っかっていてニワトリをイメージさせます。
ちょっとかわいい。
他にもよく見ると、変なんだけれど気になるオブジェが並んでいました。
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最後は恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場にある大型スクリーンに映写されていた作品です。
データを徐々に加えていくことによって、画像がどんどん変化していくのですが、その過程を見せている作品です。
出来上がった台湾のどこかの町は美しく、夕日が沈んで夜景になっていくさまもなかなかのものでした。
日によって、時間によって上映される作品は違うようです。
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全般的に、かつてのような部屋ごとに延々と映像作品を見せるというようなものは減って、見たい人に有料で見せるという形式になった模様。
それはそれでよいのかもしれませんが、なぜか気になって気が付くと長い時間それを見ていたというような体験は減りました。

SS


今までは映像祭と言いながらジャンルを越境した作品が多く、それはそれで楽しかったのですが、今回は原点に戻ろうとしているような印象を受けました。
地域連携会場にもいくつか行ってみましたが、やっているのかやっていないのか分かりにくい、というか場所自体分かりにくい、というか展示がショボい、というか・・・徒労でした。
町ぐるみでやっている感じにしたいなら、もうちょっとちゃんと見せようという気持ちで張り切らなくちゃ。
(見に行った方も見に来られた方も気まずいような雰囲気じゃダメでしょう。)

KS

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[2024/02/11 15:11] | アート 4 | page top
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