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あるいは現代のプロメテウス
フランケンシュタイン-
イギリスの小説家メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」を読んでみました。

ディオダティ荘の怪奇談義という、この小説の誕生秘話としてよく知られた話があります。
映画にもなってますね。
バイロン卿が借りていた別荘にメアリー・シェリー君を含め5人が集まり、バイロン卿の提案でそれぞれが創作した怪奇譚を披露しあったというもの。
その時の彼女自身のアイデアからこの小説「フランケンシュタイン」(原題「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」)が生まれ、1818年に出版されました。
(日本では伊能忠敬選手が死んだ年です。・・・何て事だ。)
そして彼女は何と21歳の時です。

という事で古い話なのですが、現代日本人(僕)としては当時の日本人よりもヨーロッパ人の感覚の方が遥かに近しくギャップが少ない感じがします。
メアリー・シェリー2-
さて小説ですが、巷の「フランケンシュタイン」のイメージとはかなり違います。
これはご存じかもしれませんが、「フランケンシュタイン」は怪物(人造人間)の名前ではなく、怪物を作った人物の名前です。
一般に博士だと思われているフランケンシュタインは、怪物を作った時は大学生なので若者です。
そして何と犬ぞりに乗って颯爽(?)と登場します。

一方、怪物には名前は無く、フランケンシュタインに「悪魔」と呼ばれています。
体は大きくて醜いけれど、皮膚に縫い目などは無く動きは敏捷で、賢く向学心があり雄弁です。
僕が知っていたのは・・・藤子不二雄君のテレビ・アニメ「怪物くん」の「フンガ―フンガ―フランケン」的なフランケンシュタイン(怪物の方)なので勘が狂いました。
フランケン-
「フランケンシュタイン」はゴシック小説と言われていますが、ホラーなどではなくロマン主義的な人間物語と言えるでしょう。
フランケンシュタインは自分の作った怪物に対して首尾一貫して否定的で敵対します。
まあ、キリスト教的倫理観も強く働いたんでしょうけれど、それなら最初から作るなってね。
僕から見れば、初期段階でのボタンの掛け違いであって、早期に適切に柔軟に対処していれば自分の身近な人達が殺されまくる事も無かったんじゃないかと思ってしまいます。
怪物の言い分や望みは至極真っ当ですからね。
怪物は自分の悲劇や無念を感情豊かに語りますが、映画「ブレードランナー」のレプリカントを思い出してしまいました。
BLADE RUNNER-
後世に脚色・変更されまくりの小説ですが、既成概念に囚われず読んでみる事をお勧めします。
初期SFとしても価値がありますし、紀行文としても良くできた何とも不思議な小説なのです。

KS

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[2023/10/30 08:13] | | page top
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