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光みつる庭 途切れないささやき
MOTコレクション
前々回の東京都現代美術館で「MOTコレクション 光みつる庭/途切れないささやき」も見ました。

同時開催の展覧会のついでに見た常設展なのですが、展示内容が一新されていて、案外と良かったです。
期待せずに見たコレクションが良いと、何だか得した気分になります。

次の写真右側、石川順惠「ゆるやかに開く窓から空2001-1」です。
初夏にふさわしい緑の風と明るい光を思わせます。
パンフレット表紙にも載っていますね。
やはり季節感があるからでしょうか。
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次は康夏奈(吉田夏奈)「No dimensional limit anymore」。
「もはや次元の限界はない」?ですかね。
壁から、床置きの台から、地図が立体になって顔を出しています。
単なる地図ではなく、印象をスケッチしたような私的覚書のような感じ。
小豆島に分け入り、特徴的な地形を多面体に起こし、体で感じ取ったものを立体的に縮めた、とあります。
美術館の白い壁から顔を出す島々は、本当はもっと大きく、壁の中に巨大な本体が埋もれているのかも?!
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次も同じく康夏奈(吉田夏奈)の「花寿波島の秘密」です。
これも小豆島の中にある花寿波島での体験をもとに作られたようです。
外側から見ると、宙に浮くアイスクリームカップかかき氷のようですが・・・。
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オブジェの下をくぐって中に入ると、いきなり海です。
360°全面展開する海中で、ゆらゆら揺られていると、ほんとに遊泳している気分になります。
しかし、これからが楽しみな作家と書こうとしたら、もう亡くなられているそうです。
44歳の若さで癌で亡くなるとは!
本当に残念なことです。
今頃は好きな小豆島の海で、光となって漂っているのでしょうか。
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最後はクリスチャン・ボルタンスキー。
以前にも個展で見たことがある「死んだスイス人の資料」です。
「生涯を通して歴史と記憶、そして死の表象に関わった」とあります。
え?!
「生涯を通して」ってことは、亡くなられたの?
ついこの前、自分の生活の一部始終をビデオで自撮りし続け、それを美術館に「作品」として買い取ってもらっていると聞いていたのに。
2021年に亡くなられたとは!!
(ビデオにはその最期も映っているのでしょうか?)
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そうしてみると、アーティストは亡くなっても、その作品は残り、見る人に感動や新しいものの見方・価値観を与え続けます。
これがアートというものでしょう。

SS

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[2022/05/06 08:45] | アート 3 | page top
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