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NOSTALGIA
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ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「葛西薫展 NOSTALGIA」を見ました。

1949生まれのアートディレクター(グラフィックデザイナー?)です。
きっとこの人が仕事を始めたころはグラフィックデザイナーは花形で、脚光を浴びる職業だったと思います。
それが、だんだん仕事の単価が下がり、需要はあってもそれに見合う報酬をもらえない状況が生まれてきました。
大勢の才能あるデザイナーが苦しんだと思われます。
その中にあって、常に高い意識の仕事を続けてこられたことに敬意を表します。

さて、会場を一覧すると、写真あり、線画あり、ポスターあり、の様相です。
一見関係ないように見えますが、どれも手作業を通してのみ生まれてくるノスタルジアを大切にしています。
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この写真とその向かい側にある線画には共通点があります。
トレーラーのバックにある樹木の枝が、交錯するラインのように見え、向かい側の線画と呼応しています。
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このポピーも「ノスタルジア」を感じさせる雰囲気です。
ゆらゆら頭をゆらす満開の花。
このあと風に散ると、花芯を残して何もなくなる運命です。
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これは何でノスタルジアなのか???ですが、危ういテンションを感じさせます。
3本のナイフを交互に組んで、それを水をいれたコップの上に置き、さらに交錯する3本のナイフの上にまた水を入れたコップを置いています。
落ちそうで落ちない、こぼれそうでこぼれない。
作者の心象風景でしょうか。
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他にも、この人は本の装丁やブックデザイン、プロダクト製品のパッケージデザインも多く手掛けていて、地階ではそれらも見ることができます。
とらやの小さい羊羹のパッケージなど、そうか、これもこの人だったんだ!と見覚えのあるものに出会えます。
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SS

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[2021/10/05 10:00] | アート 2 | page top
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