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遊びと企て
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銀座メゾンエルメスフォーラムでジュリオ・ル・パルクの日本での初個展「ル・パルクの色 遊びと企て」を見ました。
なんと御年92歳、現役のアーティストです。

今回は吹抜の上階が開放されていて、展示空間を見下ろす事ができました。
いつもこのエルメスの展覧会を見ると、これだけ空間的に変化があるギャラリーを活かしきれていない!!と不満が残っていました。
が、今回はうまく空間を使っている!!!
まず、外のグラフィック、これもガラスブロックの大きさやレイアウトを考慮して描かれています。
それを内側から見ても他の作品と呼応するように構成されています。
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吹抜上階にはキャット・ウォークのような通路があり、このように吹抜の端から端まで行けるのです。
これまでこのように上からも下からも見られて、なおかつその行為が作品鑑賞に違う視点を与えてくれる例があまりありませんでした。
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吹抜の下階に下りてきました。
大きな同心円の中央にある色はにじんで周囲にはみ出しているように見えますが、実はそうではなく、色彩の構成による目の錯覚を利用しています。
そうです、彼は錯視も研究しているのです。
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モビールも、一見何気ない正方形のプラスチックの板ですが、1列おきにわずかに色を変えて組まれており、それが作品の奥行き感を醸し出しています。
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こちらも錯視を意識して、作品の見せ方が工夫されています。
まず手前にステンレスの板がスリット上に置かれており、その後ろに赤い板があります。
さらにその後ろに例のガラスブロックに描かれた虹色の帯があり、それらの前を通ると、スリットから見えてくる風景が変化する仕組みです。
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これは何かというと、ステンレス製の板で作られたモビールなのですが、ゆるく風に揺られながら、周りの風景を映り込ませているのです。
置く場所によって、映り込む風景が変化するということでしょう。
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これはステンレスの薄い板で作られた動く彫刻?です。
真ん中の板だけ動くのですが、周りの板もそれに引っぱられて動く仕組みです。
じっと見ていると、うねうね動いていくのがわかります。
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これはCGをバックにこの人の好きなモチーフ、帯が配置されています。
見せ方で印象が随分変わるものです。
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これも実際の景色の中にCGで作成したモチーフが変化していく動画です。
この人工的な球や、得体の知れないオブジェが自然の中にあると、これもまた見たことのない風景が展開されていきます。
しかし意外に調和されているのですよね。
この変な風景が。
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形を単純化しても、色だけでこんなに変化を楽しめる!
無限に変化できる、その可能性を92歳の今も追求し続けているパルクさん、その表情はとても楽しそうでした。

そういえば、EVの中から見えるEVシャフトの内側に描いてある絵も、今回この人の作品になっていました。
こんなとこまでとことん帯を描くなんて、意外に茶目っ気のある人なのかも。

SS

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[2021/10/17 07:58] | アート 3 | page top
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