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YOSHIWARA
大吉原展-
上野の東京藝術大学大学美術館で「大吉原展」を見ました。

ネット上でも結構叩かれたようですね。
当初のサイトの予告を見る限り、大事な部分が抜け落ちており、「江戸アメイヂング」などと調子に乗って宣伝していると言われても仕方ないかもしれません。
藝大に通っていた時にも教授が「昔は授業が終わると学生は先生に連れられて吉原に出かけたものだよ。」などと嬉しそうに話していましたから、世間から非難されるまで何が悪いのか意識していなかったんじゃないですかね。

ホームページでも火消しに躍起ですが、「広報の表現」が悪かったという事に問題点を絞っている感じが小役人的で小ずるい印象を受けました。
つまり、「展示自体は何の問題もないので変更の必要なし」という事で強行しましょう、という感じ。
因みに最初のピンクの「江戸アメイヂング」のチラシは消えていましたよ。

その一方、この騒動の元である批判はごもっともなのですが、吉原は昔(1957年頃)になくなっていますし、今回の出し物は主に江戸時代の吉原なのです。
それを声高に非難するエネルギーがあるなら、現在も日本で続いている差別や買売春にも目を向けて継続的に戦ってほしいものです。

実際に会場に行ってみると何事も無かったかように執り行われていて、ある意味地味な展覧会でした。
客も年寄りばっかり。

KS


ここからは展示に関して。
次の作品は「吉原仲の町図」です。
花魁が待っている客のところへ出向いていく図のようです。
すらりとした立ち姿の花魁であります。
吉原仲の町図-
次は「花魁」というタイトルですが、モデルになった女性は「自分はこんな顔してない!!」といやがったそうです。
浮世絵以外での花魁の肖像画は珍しいのだけれど、モデルさんは気に入らなかったのでしょう。
花魁-
次は夏の暑い時期の様子でしょう、しどけない姿で太夫が座っています。
今ほどではないにしても、夏は着物着てるのって暑いですよ。
納涼美人図-
かといって次は冬でしょうが、まるで布団を巻き付けているようです。
豪勢に見せるのが粋だというのかもしれませんが、こんなに着込んでは、肩も凝ったことでしょう。
かんざしも重そうです。
首が痛くならないか、なんて余計な心配をしてしまいます。
新吉原全盛七軒人 松葉屋内粧ひ にほひ とめき-
展示最後にあったのは吉原の大見世の模型なのですが、ただの建築模型ではありません。
内装・調度品も凝っていますが、なにより人物(人形)が辻村寿三郎の手によるもので趣があります。
この人は置屋で育ったそうで、こういう商売の女性達に向けるまなざしが人より深いです。
その美、その悲哀、どうにもならない運命を生きる諦観。
それが花魁の表情に表れています。
IMG_3066-.jpg
ちょっと覗いてみたくなる廓の2階です。
ふーん、こんなところだったのか、吉原って・・・と模型の周りをぐるぐる回って見てしまいました。
CGで再現した吉原の街全体もあり、なかなか充実した建築の展示でした。
IMG_3073-.jpg
そもそもこういった花街は古今東西栄えた大都市には必ず存在し、人々を引き付けていました。
その中でも吉原は、江戸文化の中の着物・調度品・芸能など多岐にわたって洗練された廓の文化を生み出した流行の最先端でした。
町民、武士だけではなく、大名をも惹きつける魅力があったのです。
もちろん、太夫や遊女たちは経済的事情で売られてきた気の毒な被害者です。
しかし、そんな中にあっても彼女たちには彼女たちの生活があり、同じ廓の中で暮らすならせいぜい楽しんで生きようと思った者もいたでしょう。
己が美貌を誇り、美しい衣装を楽しみ、芸事に打ち込む、そうでもしなければ苦しいばかりだったことでしょうし。

SS

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[2024/04/05 07:51] | アート 4 | page top
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