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STAYING IN TIME
天王洲アイルにあるTERADA ART COMPLEX ⅠⅡの続きです。

今回はTERADA ART COMPLEX ⅡのギャラリーYUKIKO MIZUTANIで見た山本基の「時に宿る – Staying in Time –」です。
色々見たものの中で、傑出して良かった作品です。

写真では分かりづらいですが、青地に白のうにょうにょしたものが見えると思いますが、これはアクリルを絞り出し器に入れて細く出てくる線で泡を描いたものです。
生クリームの絞り出しかボンドの入れ物から細々出しているような感じです。
線の幅は1-2mm程度なので、気が遠くなるような地道な作業です。
IMG_1708-.jpg
同じ手法で作られた大きな作品もあり、それが次の写真です。
凄い大作なのですが、これが全部そうやって絞り出された細い線の集積なので、ほんとに根気のいる作業であります。
(わたしなんか到底ダメです!!)
別に作業量がすごいから、凄い作品という訳ではありません、もちろん。
そうやって描かれた泡は、宇宙から地球を見た時のような模様を描いています。
ずっと見続けていたいという気持ちになる稀有な作品です。
IMG_1707-.jpg
次もまた、気の遠くなるような作品であります。
これは桜の花びらをかたどった筒の中に、上から塩を入れて、一枚一枚重ねて描いていったものです。
よく見ると、桜の花びらは全部同じではなく、いくつかのパターンがあります。
繊細に描かれており、あるものは強くくっきりと、あるものは儚げにうっすらと床に広がっています。
IMG_1705-.jpg
アップにするとこんな風です。
もちろん平面に描かれているのですが、まるでふっくらした花びらがあるみたいに、すこーしだけ立体感があるのが不思議です。
でももっと驚いたのは、このインスタレーションのあと、作品に使った塩は集められて、海へ持って行って返すのだそうです。
いつもそのようにしていて、外国で作った時は、外国の海へ返し、日本で作った時は日本の海へ返すのだそうです。
海から生まれた塩は、いっとき姿を変えて作品になりますが、その使命を果たしたら、再び海へ帰っていく・・・。
そうやって、巡り巡って姿かたちを変え、人と関わって、そしてまた元へ帰っていく、その過程においていっとき共有する時間があるので、「時に宿る」というタイトルなのでしょう。
この作家は、妹さんと奥さんを亡くしていて、それが何かが姿かたちを変えて巡り巡っていく不思議さと、めぐりあっても別れていく無常観を感じているのだそうです。
うーん、作品が深いと思ったら、そういう悲しい体験があるのですね。
IMG_1709-.jpg
こちらは塩で作った山々に、映像で迷路のような等高線(?)を描いていく作品です。
じっと見てると、山々に、光が落ちてくるように線が描かれ、それが徐々に増えて、模様が出来上がっていきます。
まっすぐに光が落ちてきても、塩の山は立体なので、形に添って迷路は変化していきます。
時の経過とともにゆっくり出来ていく作品をじっと見入ってしまいました。
この塩だけで250キロ分あるそうで、もちろんこれも会期後に海へ帰っていくのだそうです。
IMG_1713-.jpg
SS

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[2023/04/14 10:26] | アート 3 | page top
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