
今回は久しぶりに見た1975年の映画「ロッキー・ホラー・ショー」。
事の始まりは、1973年のロンドン、60人ぐらいしか入らない小劇場でのリチャード・オブライエン君作のロック・ミュージカルでした。
徐々に熱心なリピーターを獲得していった事から注目され、映画化の運びとなりました。
しかし、監督のジム・シャーマン君は大予算+ロック・スターという提案を断って、オリジナル・キャスト中心に低予算で制作したそうです。
金に釣られずにオリジナルに拘った訳です。
監督自身も「低予算だったから自由に映画が撮れた」と語っています。
大手映画会社の言う通りやっていたら、話の毒も抜かれていただろうし、シャーマン君も監督ができていたかどうか・・・。

結果、安っぽいB級映画になりましたが、この映画の内容にはドンピシャ。
リチャード・オブライエン君は原作だけでなく音楽、脚本、そしてリフ・ラフという実は一番危なそうな役柄(次の写真右端)も演じています。
「流行を排除した作りなので今でも古びていない」と豪語しているようですが、これは明らかに当時のグラム・ロックでしょう。

とは言え、映画は当初散々な結果でした。
試写会では客が無礼にも次々と帰ってしまったそうです。
でもそこで諦めずしぶとく興行したのが良かったのですね。
映画の方も徐々にカルト的人気が出て、パーティー的なハチャメチャな上映が定着して今日に至っています。
僕自身は「ロッキー・ホラー・ショーという破天荒なショーがある」事は早くから知っていましたが、実際に見た事はありませんでした。
主人公がマイクをパンツの前に突き立てた新聞記事の写真だけは覚えていますが・・・。
そして1980年の映画「フェーム」の中で「ロッキー・ホラー・ショー上映中に乱痴気パーティーのように騒ぐ」様子を初めて見ました。
映画「ロッキー・ホラー・ショー」の全編を見たのは、ビデオか何かでもっと後の事でした。
まあ、騒ぐ程の事もない荒唐無稽な内容ですが、カルトになる要素はあるかもしれません。
一応ロック・ミュージカルですが、良い曲は2-3曲で後はまあまあ。
自分が今、若い藝大生だったら存分に楽しめるかも・・・ですね。
まだ見ていなければ一見の価値はあるかなかなかなかなかなかな。
(あくまで個人の感想です。)
KS