![]() BS11で「アンティーク・ハンター職人技の世界」という番組をやっています。 イギリスのアンティーク・ディーラーのドリュー・プリチャード(次の写真左端)が、ゴミ同然に見えるアンティーク品を入手して腕利きの職人たちに修復を依頼する、という内容です。 毎回色々なものを直す過程を見る番組なのですが、結構人気があるようですね。 ![]() 見ていて面白いのは、修復を依頼された職人たちがものすごいこだわりと細心の注意を払って作業に挑むのですが、決してきれいになり過ぎないようにしている点です。 はげた塗装や古びた外観を、アンティークらしく、できるだけオリジナルを活かして直していきます。 その品がへだててきた年月をそのまま感じられるように直すのは、新品を作るより難しそうです。 しかも、労力の割には大した儲けにはなっていないようです。 (そりゃそうです、一品生産ですからね。) ![]() でも、修復している職人さんたちの生き生きとした真剣な表情、そして出来上がった時の満足そうな笑顔! 見ているこちらも思わず一緒に笑顔になります。 自分の技を発揮する機会があり、正しく評価してくれる人がいる、それがこの人たちの喜びなのでしょう。 日々の暮らしが成り立つ収入源にはなるけれど、費やした時間に見合った金額ではないでしょう。 それでも、自分が好きで打ち込める仕事がある喜びを感じます。 ![]() 今の日本の世の中に足りないものは何か? それをこの番組をみていると分かるような気がします。 もうひとつこの番組がユニークなのは、アンティーク・ディーラーのドリュー・プリチャードの妻レベッカ(最初の写真右から2番目)が、夫が買い付けてきたガラクタのルーツを探って商品に付加価値を与えていることです。 当時の事を知る物知りや、企業の図書館、好事家などを訪ねて回り、どういういきさつで作られたのか、どんな人たちが使っていたのかを探り出します。 そうすることで、商品に付加価値が付くのです。 でも、それだけではなさそうですね。 結局そういう物語がわかるにつれ、買う方も売る方も、その品に愛着がわき、大切にしようという気持ちが自然に湧き上がってくるようです。 それもアンティークの喜びなのでしょう。 SS |
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