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堕落部屋
堕落部屋-
川本史織の「堕落部屋」という写真集を(読)みました。

都築響一の「東京スタイル」の二番煎じ的な感じもしましたが・・・。
どちらも、これでもかこれでもかと日本のきったない部屋が並んでおります。
わたしの職業柄、「整理整頓して片付けんかい!!!!」と言いたくなるのですが・・・。

「東京スタイル」とどこが違うかというと、まず本人つまり部屋の住人がポートレートとして登場していることです。
こんな汚い部屋、人に見せて恥ずかしくないのか??
それが意外と正々堂々としていて、「何が悪いの?」と開き直った感じであります。
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よくよく見ると割と片付いている部屋もあって、自分の好みのコレクションを過剰に展示してあります。
自己表現のひとつなんでしょうかね。
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自分の部屋を見せるということは、自分の「頭の中」と「心の中」を見せるということに等しいと私は思っています。
だから、住宅を設計するとき、その人が現在お住まいの住宅を見せてもらうことはとても重要です。
家を見れば、その人がどういう人か、ほぼ間違いなくわかります。

そういう意味で、「アブナイ人」もたくさん載っているのがこの本ですね。
巻末を見ると、登場人物は、ニート・OL・作家・AV女優・主婦と様々ですが、「今を生きる女」なんでしょうか。
(しかしタイトルの「堕落」というのとはちょっと違うような・・・?)
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中でも、ダントツ汚くて、ダントツパワフルで、ダントツ印象に残ったのが、水戸部七絵という画家の部屋です。
部屋中彼女の「もりあがった絵画」の残骸が散在しています。
著者曰く「部屋にあるものはすべてに油絵具が付着している。画家とは油絵具とともに生きるのだ。」
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そう、そして彼女はこの9年後に東京オペラシティーで展覧会をすることになるのだ。
きっとこの部屋も益々すごいことになっていることでしょう。

10年後の「彼女たちのその後」をもう一度本にしてみたら?

SS

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[2022/11/15 08:04] | | page top
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