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BECOMING
マイ・ストーリー
ミシェル・オバマの「マイ・ストーリー」を読みました。

ご存知、オバマ元大統領夫人です。
TVなどでちらほら見かけたこの人は、印象として「気さくで飾り気のない人」と思っていましたが、それはほぼ間違いないようです。
加えて、大変な努力家、勉強家、良妻賢母、そしてNO.1のファーストレディーでもあります。
温かく朗らかな人柄はアメリカでも人気が高く、バイデンが副大統領に指名したかったようですが、彼女は固辞したようです。
そもそも、夫が大統領選に立候補するのも、最初は反対だったようで、「こんな良心的で純粋な人は政治家には向かない」と思っていたそうです。
それでも、最終的には夫を支持し、選挙戦でも駆け回って支持を集め、選挙陣営からは「切り札」と呼ばれたそうですから、大したものです。

スラム街で生まれ育ち、アメリカという国に黒人として生まれたことのハンディを背負い、父親が障碍者で苦労もしたけれど、両親は「子供には良い教育を受けさせる」という考えの持ち主で、頭の良かったミシェルはついにハーバードを卒業して弁護士事務所に就職します。もちろん、高い学費のローンを背負ってのスタートです。
けれども彼女はこの弁護士事務所に同じくハーバード卒のインターンとしてやってきたバラク・オバマと知り合い、彼の教育担当になります。
2人はたちまち恋に落ち、これが彼女の運命を大きく変えていきます。

普通の家庭で育った一般庶民(中の下ぐらいか?)が世界中で最も注目される合衆国大統領夫妻となる、そのギャップの物凄さにもみくちゃにされながらも、ふたりは8年間の任期の間、高い倫理と良識を保ってみせました。
私も覚えていますが、ミシェルさんが大統領専用機からホットパンツ姿で降りてきている写真、印象に残っていますね。
あまりに朝から忙しく、あまりに暑い日だったので、つい家にいるままの恰好で飛行機に乗り込んだそうですが、タラップを降りると同時にスクープされて、「ファーストレディーが、なんとはしたない!!」と非難されます。
また後日、エリザベス女王と晩餐会で会った時に、「ヒールを履いていると足が痛いわねぇ」という話でシンパシーを感じ、「そうですよね」とそっと女王にさわったところ、「女王に対して失礼!!」とマスコミに叩かれます。
そうか、そんなことでもこんな風に言われるのか!とその都度落ち込むのですが、「自分はこの場所にふさわしい人間か?そう、大丈夫!」と言い聞かせて乗り切ます。

そんな嵐の日々ですが、さすがの彼女もドナルド・トランプには頭にきたようです。
小さい頃から、イジメに対しては決然とした態度で臨み、相手がどんなに品位が無くても、こちらは凛として品位を下げない、これをモットーに生きてきたけれども、この男はあんまりだという訳です。
トランプが政権についてからなされた数々の悪行にも心を痛めますが、それでも彼女は希望を失わず、前進を続けることこそが大切だと言います。
「かすかに垣間見えた、実現できるかもしれない世界。それを常なるものとにしようと、私たちは歩み続けてきた。自分たちに何ができるかを知り、それ以上だって可能なのだと知る新たな世代とともに。これから何がやってこようと、この歩みはたしかに私たちの物語なのだ。」
一家
本当に大した女性、大した人です。

SS

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[2022/05/04 09:18] | | page top
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