![]() 初台の東京オペラシティ アートギャラリーで「ミケル・バルセロ展」を見ました。 この人の作品を見るのは初めてです。 で、どうだったかというと、とても良かった!!! 予備知識なしにぶらりと行ってみたのですが、思いのほかおもしろく、行って良かった!と思いました。 何がイイかというと・・・。 まず、その迫力です。 平面的な絵ではなく、ミクストメディアなのだそうで、絵具が盛り上がって、画面から飛び出しています。 題材は闘牛だったり、海や空だったり、魚やタコだったりするのですが、表現されている世界はもっと深淵で、無意識の中に宿る内なる世界を表しているようです。 そして色もいいです。(良くないのもありますが) これはなんと魚です。 海の中から顔を突き出している魚です。 ![]() ほら、横から見ても、ほんとに画面から顔を突き出しています。(写真では分かりづらいかな?) ウケを狙ったユーモアあふれる作品?? だけど、それだけじゃないんです。 この人が見ている海や魚は「生きてる」感じが凄くするのです。 よーくよくこれらのことを知っていて、ある日ある時の、自分がインスピレーションを感じた瞬間をうまく切り取っているようです。 見たもの、感じたものを瞬時に閉じ込めたような印象です。 ![]() この闘牛もいいですね。 中央に牛と闘牛士がいますが、それらがまるで太陽の中にいるようです。 この画家にとって、闘牛というのは重要なテーマなのだそうで、高い関心があることがうかがえます。 命を懸けて牛と闘うのは、男にとって神聖な行為。 太古の昔から、獲物をしとめる為に、命懸けで獣と闘ってきた男の本能か? ![]() この人は陶芸も盛んに作成しています。 壷に描かれた赤い魚は、今にも外へ飛び出しそうです。 (現に飛び出している。) 勢いがあって、スピード感がありますね。 ![]() これは本人によるとトーテムポールだそうですが、私には恐竜の頭骨に見えます。 Tレックスでしょうか? これ欲しいなぁ。ちょっとかわいげもあるし。 ![]() こちらは、粘土の壁の前でパフォーマンスをしています。 この人は、ときどきこのような形で、大衆の前でパフォーマンスをするようです。 寺院の中庭で、巨大なキャンバスに水で絵を描き、(濡れると黒く変色する特別なキャンバスです)水が乾いていくと、元の何もない白いキャンバスに戻っていく、というパフォーマンスもありました。 けれども、これはもっと大仕事です。 跡も残ります。 大きな粘土の壁に向かって、男が二人、敢然と立ち向かいます。 壁に頭や体、手足をぶつけたり、ひっかいたり、えぐりとったり。 この行為によって、壁はその形跡が残り、それが作品となっていくのです。 最後に粘土の壷状になったお面をかぶり、それをも引っかいたり、穴を開けたり、絞ったりして変形させていきます。 粘土と闘う男。 これって、彼にとっては闘牛同様、神聖なる男の行為なのかもしれません。 ![]() SS |
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