fc2ブログ
バルセロって?
IMG_0143.jpg
初台の東京オペラシティ アートギャラリーで「ミケル・バルセロ展」を見ました。

この人の作品を見るのは初めてです。
で、どうだったかというと、とても良かった!!!
予備知識なしにぶらりと行ってみたのですが、思いのほかおもしろく、行って良かった!と思いました。

何がイイかというと・・・。
まず、その迫力です。
平面的な絵ではなく、ミクストメディアなのだそうで、絵具が盛り上がって、画面から飛び出しています。
題材は闘牛だったり、海や空だったり、魚やタコだったりするのですが、表現されている世界はもっと深淵で、無意識の中に宿る内なる世界を表しているようです。
そして色もいいです。(良くないのもありますが)

これはなんと魚です。
海の中から顔を突き出している魚です。
IMG_0145.jpg
ほら、横から見ても、ほんとに画面から顔を突き出しています。(写真では分かりづらいかな?)
ウケを狙ったユーモアあふれる作品??
だけど、それだけじゃないんです。
この人が見ている海や魚は「生きてる」感じが凄くするのです。
よーくよくこれらのことを知っていて、ある日ある時の、自分がインスピレーションを感じた瞬間をうまく切り取っているようです。
見たもの、感じたものを瞬時に閉じ込めたような印象です。
IMG_0146.jpg
この闘牛もいいですね。
中央に牛と闘牛士がいますが、それらがまるで太陽の中にいるようです。
この画家にとって、闘牛というのは重要なテーマなのだそうで、高い関心があることがうかがえます。
命を懸けて牛と闘うのは、男にとって神聖な行為。
太古の昔から、獲物をしとめる為に、命懸けで獣と闘ってきた男の本能か?
IMG_0149_202202261640399cb.jpg
この人は陶芸も盛んに作成しています。
壷に描かれた赤い魚は、今にも外へ飛び出しそうです。
(現に飛び出している。)
勢いがあって、スピード感がありますね。
IMG_0152.jpg
これは本人によるとトーテムポールだそうですが、私には恐竜の頭骨に見えます。
Tレックスでしょうか?
これ欲しいなぁ。ちょっとかわいげもあるし。
IMG_0163_20220226164043a66.jpg
こちらは、粘土の壁の前でパフォーマンスをしています。
この人は、ときどきこのような形で、大衆の前でパフォーマンスをするようです。
寺院の中庭で、巨大なキャンバスに水で絵を描き、(濡れると黒く変色する特別なキャンバスです)水が乾いていくと、元の何もない白いキャンバスに戻っていく、というパフォーマンスもありました。
けれども、これはもっと大仕事です。
跡も残ります。
大きな粘土の壁に向かって、男が二人、敢然と立ち向かいます。
壁に頭や体、手足をぶつけたり、ひっかいたり、えぐりとったり。
この行為によって、壁はその形跡が残り、それが作品となっていくのです。
最後に粘土の壷状になったお面をかぶり、それをも引っかいたり、穴を開けたり、絞ったりして変形させていきます。
粘土と闘う男。
これって、彼にとっては闘牛同様、神聖なる男の行為なのかもしれません。
IMG_0172.jpg
SS

このブログが気に入ったらクリックしてください!

[2022/03/05 10:00] | アート 3 | page top
| ホーム |