![]() ガイア・アソシエイツで設計した住宅YS邸の続きです。 (過去のYS邸の記事はココをクリック) 道路の為に土地を失う人達だけでなく、土地を削られる人達にも結構なお金(と言っても皆さんの税金)と、敷地が削られた後どんなものが建てられるかの参考設計図も渡されていました。 こういうものが建てられるからご心配なく、という事でしょうか。 僕も建築主が受け取った新築住宅参考案を見せてもらいました。 一見ちゃんと暮らせるように建つように見えますが・・・ 階段は小さく描いてあって防火区画が無いし、収納等はほとんど無いし、その他法規も構造も考慮されていない現実的に成り立っていないものでした。 皆さんも役所のハッタリには注意しましょう。 そんなこんなで、20m道路内の住民等は立ち退き、敷地が斜めに削られる住民等は立ち退きか建て替え、という理不尽な選択を迫られたわけです。 最後まで抵抗していた方々もおられましたけどね。 我々の設計完了頃になると、早めに建て替えを計画した建物が道路の向こう側になる辺りにチラホラ建ち始めました。 写真では分かりにくいですが、どれもプランが三角形や台形で使いにくそうでした。 建て替えなくて済んだ奥の背の高いビルの手前にコバンザメのようにへばりついているように見えました。 我々が設計する住宅もそんな感じになるのでしょうか。 ![]() さて、20m道路は都心の計画ですが、こんな事になってしまっていたのを、東京の土地っ子でも案外実情を知らなかったと思います。 この辺りの住民と用事で来る人ぐらいしか気が付かなかったかもしれません。 あまり報道されなかったのか、この辺りの駅は地下鉄なので車窓から様子を見る機会がなかったのか・・・。 僕達も何の予備知識も無かったので、設計を進めるにあたり役所の担当者と話しました。 工事をさっさと進めたいからかえらく低姿勢なのが不気味でしたが、間延びした計画だからか他人事のようなのも気になりました。 ![]() 続く。 KS |