![]() 湯浅政明監督のアニメ―ション映画「夜は短し歩けよ乙女」を見ました。 雰囲気はロッテの小梅ちゃんが動いているような感じです。 並べてみると・・・ちょっと違うか。 いずれにせよ、ありそうで無かったタッチのアニメーションです。 (僕が知らないだけかもしれませんが。) ![]() 原作共々言葉遣いが書生的で古臭いのですが、設定は現代なので、妙なギャップが特徴になっています。 原作者は昔の大学生にノスタルジックな憧れでもあるのかもしれませんね。 総じて古い味なのに新味も感じるとても変わった映画でした。 話の筋も色々な出来事に関連性はあるのですが、主人公の思いつきで事が進んでいきます。 まるで夢の中の出来事のようで滅茶苦茶、ある意味シュールリアリスティック。 全体的な印象はアニメ映画の「パプリカ」や「千と千尋の神隠し」にも近い感じがあります。 ![]() 難を言えば、クライマックスの「先輩」の内面的葛藤(?)のシーンがしつこくて長すぎる事、エンディング・テーマ曲が凡庸で退屈な事でしょうか。 また、京大の話のように思いますが何故か誰も関西弁を話さない、という小さな❓もありました。 まあ、僕は関西人じゃないんでどうでもいいんですが。 この映画、オタワ国際アニメーション映画祭(オタクじゃなくてオタワね)でグランプリを取ったそうです。 外国人がこの映画を見たら、京都はキッチュで面白そうに思うかもしれません。 街はモダン和風でキリっと美しく、とんでもない変人が溢れている、なんてね。 そのつもりで行くと大いにガッカリだろうな、などと心配になりました。 ところで、順序が逆になりましたが、原作の小説も読んでみる事にしました。 著者は森見登美彦君ですね。 前半は映画が小説をそのまんまなぞった感じでした。 小説は、後半になると前半の快調なペースがガクンと落ち、息切れなのか話の面白みも薄れていきます。 ![]() 映画はこの辺りを簡潔にまとめて一気に走り抜けようとしたんでしょうが、イマイチうまくいかなかった感じですね。 映画の最後のゴタゴタ感の原因は・・・原作にあったのかもしれません。 とは言え、映画の方は十分見る価値ありますよ。 余談ですが、森見登美彦君の小説を何冊か読むと、「夜は短し歩けよ乙女」と同様のネタや話題が散見されます。 著者は小説同士に隠れた関連性を持たせようとしたのでしょうか。 でもそのような効果よりも、「その話、前に聞いたよ。」みたいに感じてしまいました。 それに何冊もの本に出すほど面白い事かな~? KS |
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