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REVERSIBLE DESTINY
リバーシブルな未来
今回は東京都写真美術館で「リバーシブルな未来」という日本・オーストラリアの現代写真の展覧会についてです。
写真美術館では複数の展覧会を同時にやっている場合があるので、前回のブログのものと一緒に見ました。

マレイ・クラークの「ロング・ジャーニー・ホーム2」
この人は先住民アボリジナルの出身だそうです。
3人が羽織っているのは伝統的に先祖から受け継がれてきたポッサムの毛皮のマントです。
アボリジナルが植民地化されてから、住む場所を追われ、土地だけではなく先祖からの風習や祭祀も失い続けてきたことは知られています。
こういう作家によって、アボリジナルの文化が注目されるきっかけになるでしょうか。
それにしても、この写真はインパクトがありますね。
色彩がよい。構図もよい。
3人の化粧(これも伝統的なものでしょうか?)がまた不穏な雰囲気が出ていいですね。
ロング・ジャーニー・ホーム2
ヴァル・ヴェンズの「カワァ・イジェン4」
この人は何をしているのかというと、火山の噴火口で2枚のパネルをかざしているのです。
これだけ見ると、???ですが、これの隣りにある写真は、森の中でビンと筒を持っていて、曲芸のようなことをしています。
その見せ方が面白いのです。
6-7枚の大きめのパネルが一つの展示室に掛けてあるのですが、実はそのうちの2枚だけが動画なのです。
一見全部スチル写真のように見えるのですが、じっと見るうち、2枚が動き出すという趣向です。
ちょっと残念なのが、スチル写真の額と動画の額が違っていて、すぐにどれが動画か分かってしまうところです。
でも、それ以外は面白い見せ方だと思いました。
IN THE WATER #008 (2)
ポリクセニ・パパペトロウの「来訪者」
おかしなマスクを付けて、仰々しい服を着た不思議の国の住民が、自然の中にぽつんといます。
このシリーズはどれも独特な雰囲気を持っていて、楽しめます。
この作家の他の作品では、美しい女の子のポートレートがきらきら光るシリーズがありますが、その子がアリスっぽいのです。
不思議の国アリスへのオマージュでしょうか。
世界のはざまで
片山真理の「in the water #008」
この人の作品は以前にも銀座で見たことがあります。
セルフポートレートが多いのですが、それを自作の布を使った作品を加えて加工しています。
朝鮮人参みたいな質感の手足・指が好みのモチーフのようですね。
このニワトリの足みたいな指も、ちょっとギョッとすることも含めて、この人の趣味なのでしょう。
IN THE WATER #008 (1)
と、それぞれに面白く楽しめる作品群なのですが、なんでこれが日本とオーストラリアの合同展覧会なのでしょうか??
また、日本の作家は、上記の片山真理のように、独自の世界を探究している人もいますが、東日本大震災の被災地をテーマにした人たちや、ヒロシマの原爆で被災した物たちを撮っている人など、それが悪いわけではありませんが、オーストラリアの作家と比べると展覧会のコンセプトが違うように感じました。
「リバーシブルな未来」というタイトルは、解釈によって範囲が広がることはわかりますが、展覧会のまとまりとしてはイマイチな感じがしました。

SS

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[2021/09/27 08:46] | アート 2 | page top
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