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貴婦人と一角獣
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親の家の片付けを手伝っていたら、押入から中世風図柄のつづれ織りが1枚出てきました。(最初の写真)
地味で退屈なデザインなのですぐに処分しようかとも思いましたが、どこかで見覚えがあったので何となくもらっておきました。

自分の記憶を辿ると、それはレコード・ジャケットで、イギリスの高名なギタリストであるジョン・レンボーン君の1970年のアルバムでした。
タイトルは「THE LADY AND THE UNICORN」、元々フォーク系ミュージシャンですが古楽に挑戦した作品です。
でも見比べると・・・出てきたつづれ織りとデザインがちょっと違うぞ???
THE LADY AND THE UNICORN JOHN RENBOURN
気になったので、アルバム・タイトルからあれこれ検索したら、フランスの織物にたどり着きました。
「貴婦人と一角獣」というつづれ織りです。
フランス語なら「LA DAME À LA LICORNE」、英語ならアルバム名と同じ「THE LADY AND THE UNICORN」。
15世紀末にフランスのフランドルで織られた6枚連作のつづれ織りだそうです。

その6枚の図柄には各々寓意があるようで・・・
「触覚」:一角獣の角に触れる貴婦人の図
触覚-
「味覚」:お菓子をついばむ鳥の図
味覚-
「嗅覚」:花の香を嗅ぐ猿の図
嗅覚-
「聴覚」:オルガンを弾く貴婦人の図
聴覚-
「視覚」:貴婦人が持つ鏡を覗き込む一角獣の図
視覚-
「我が唯一の望み」:宝石を手にする貴婦人の図
 ※この図柄にはこのタイトルが書かれていますが「望み」の意味は不明・・・結婚? 愛? 理解?
我が唯一の望み-
中世ではこの順序(「我が唯一の望み」は除外)で精神的な次元が高くなっていくと考えられていたようです。
「視覚」は、こじつけっぽいですが「聖書を目で読む」という事で最高位らしいです。
因みにレコード・ジャケットの絵は「我が唯一の望み」ですね。

これらのつづれ織りは、東京の美術館などで展示された事があるようで・・・日本でも一般的に有名なのでしょうか???
知らなかったのは僕ぐらいか???

さて、親の家から出てきたつづれ織り(最初の写真)は勿論イミテーション(一応フランス製でフランス国家最優秀職人賞金賞受賞者制作)なのですが、ご覧の通りオリジナルの6枚の図柄のどれとも違うのです。
全体的な構図は「我が唯一の望み」に近いのですが、中心の二人の人物あたりは「聴覚」のようです。
土産物なら(著作権など無いであろう)オリジナルの複製にするでしょうし、複雑な図柄を変更するのはかえって面倒ですよね。
何でこんな事を・・・?

「図柄のオリジナルはこれか」と突き止めたと思ったら、「なんか違う」という釈然としないお話でした。
出てきたつづれ織りはせっかくなのでガイア・アソシエイツのアトリエに飾りました。

KS

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[2021/09/17 10:33] | GAIA | page top
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