品川富士をご存知でしょうか。
仕事で京浜急行の新馬場駅に行った時、車窓から偶然見つけました。
写真のこんもり木の生えている部分です。

品川富士と言っても、富士塚です。
でもその富士塚って一体何でしょうね。
そこで、有坂蓉子というお方の「ご近所富士山の謎」という本を見てみましょう。
サブ・タイトルは「富士塚御利益散策ガイド」。
大分前になりますが、僕はこの本で富士塚なるものが何なのかを詳しく知りました。
なので、たまたまではありますが、今回品川富士を見つける事ができたのです。

本によると・・・
「富士塚とは、富士山を信仰する人たちが、大真面目に造り上げた山である。
山といっても塚なので、屋根より低いものもある。
しかし、その多さは驚異的。
意外と身近に存在するものだ。」
だそうです。
この本、小型で内容もよくまとまっていて使い勝手は良さそうですが、残念なのは写真。
大量に富士塚の写真が掲載されているのですが、カラーは巻頭の4ページだけで、(新書なので予算もあるでしょうが)後は白黒。
富士塚の白黒写真って全く魅力が無い、というか行く気がおこらないんですよね。
どれも同じに見えるし。
そんな事なので、本は読んでも富士塚を訪れる事は一度もなく、忘れ去っていたのです。
さて、富士塚は23区内には50個もあり、その他富士山が見える関東を中心に300~1000個あるそうな。
要は富士を模したミニチュア富士で、実際に登る事もできます。
造られたのは主に江戸時代。
造ったのは一般庶民。
当時、「講」という色々な目的ごとの地域の集まりがあり、富士山信仰の仲間の集まりは「冨士講」といったのだそうです。
「富士塚に登ると富士登山と同じ御利益がある。」という事で、その人達が中心にこんなものを造ったようです。
庶民は貧乏だったし移動の自由も制限されていたので本当の富士山に登るのは難しく、それでこんなおバカなものを作ったのかもしれませんね。
さて、「こんなおバカなもの」ってどんなものか、偶然発見した品川富士の登山をご紹介します。
僕は東京の土地っ子なのに、この本を読むまで「富士塚」なるものを全く知りませんでした。
今回初めて発見した時は、実際どんな所なのか興味津津でした。
続く。
KS