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大さん橋
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横浜港大さん橋国際客船ターミナルに久しぶりに行ってみました。
ここは大型客船が複数同時着岸できる主要旅客ターミナルです。

建物は内部に柱・梁がなく、スロープやエレベータで昇り降りする構造となっています。
屋上はウネウネと波打ってウッドデッキと芝生の丘陵のようになっていて、ブラブラ歩き回る事ができます。
そして、そのウネウネの狭間から建物に入るようになっているのです。
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設計はアレハンドロ・ザエラ・ポロ君とファッシド・ムサヴィ君で、1995年の国際コンペで選ばれました。
この手のデザイン手法は、当時ちょこっと流行していたように思います。
しかし、斬新なデザインだったからか、造りにくかったからか、予算が合わなかったからか、竣工したのは2002年です。
・・・と、長い時間をかけて作ったのは立派ですが、売りである屋上のデザインの詰めと運用が悪いのです。

屋上にやたらと手摺があるのは折角の開放感を削いでいます。
落ちると危なそうな所だけではなく、スロープや芝生にも手摺があって入れないなど、ガッカリ感満載でした。
フリーハンドなウネウネが自由で面白いのに、手摺で自由が束縛されているのです。
必要以上に安全ばかり考えていると、こんなものになりますね。
屋上を大きな遊具と見立ててもっと楽しく考えれば、そのあたりの考え方も違ってきたのでは。
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そのウネウネについてもう一言言えば・・・
屋上が広すぎて、起伏がヒューマン・スケールではなく、案外退屈です。
設計時に、巨大な空間を小さな模型で考えてスケール感を勘違いしたのでは、という感じ?
鳥瞰的な検討だけでなく、人間の視点とスケールで綿密に設計されていれば、もっと楽しくなるようにできたかも。
なぜならこの建物を遠くからを見ると、「行ってみようかな」と思うような期待感大のシルエットなのですから。
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ところで、今回は建物内には入りませんでしたが、以前行った時はボカーンと無味乾燥な空間でした。
柱や梁が無いからといってそれ程感銘は受けませんでした。
建築構造的実験が面白い空間を生むとは限らないのですね。

屋上では、コロナなのにわざわざ訪れた皆さんがあてどもなくゾンビのように徘徊していましたよ。
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色々書きましたが最後にひとつ言えるのは、フツーなターミナルを作るのと比べれば遥かに良いし、この案を選んだ事は巨額であろう建築費も含め英断だったのは確かですね。
フツーのターミナルだったら、「客寄せパンダ」でも無ければ皆さん集まって来ないでしょう。

KS

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[2021/06/06 09:08] | 建築 1 | page top
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