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負け犬が覇者となり
恐竜の世界史
若手恐竜学者スティーブ・ブルサッテの「恐竜の世界史」を読みました。
サブタイトルは「負け犬が覇者となり、絶滅するまで」。

分厚いうえに小さな文字、読むのに時間がかかりましたが、最後まで充分楽しめました。
これは著者が著名な恐竜学者であると同時に、一流のエンターテイナーであるおかげでしょう。
え?え?そうだったの?という新知識もあって、なんだか自分まで恐竜の専門家のお友達になったような気分です。

★発見その1
ブロントサウルスって、大昔は首長竜の代表格だったのに、その後アパトサウルスの体にカマラサウルスの頭を間違ってくっつけたもので実在しないといわれていました。
しかし、何とその後本当に実在したことが分かって、その名が復活していました。

★発見その2
ティラノサウルス(以下Tレックス)は白亜紀の恐竜王のように言われていますが、彼らが王者となったのは、白亜紀の最後の方でそれまではカルカロドントサウルス類のほうが体も大きく、幅をきかせていたそうです。
Tレックスはせいぜいウシぐらいの大きさで、カルカロドントサウルスの影におびえて、コソコソ生きてたそうです。
その頃にスカベンジャー(死肉をあさるハイエナのような肉食動物)だったのかも。

発見はともかくとして、この本は「恐竜の世界史」です。
恐竜が種として現れ、栄華を誇り、そして突然姿を消すことになったその歴史をたどっています。
まず、恐竜として認められる以前にも、「プレ恐竜」という種が存在していて、その頃は恐竜と偽鰐類を合わせて主竜類と呼ばれています。(めんどくさいから偽鰐類は「ワニ」とよびましょう。)
この2つのグループは三畳紀後期には互いに似通ってきますが、ジュラ紀に入ると恐竜の方が優勢になってきます。
なぜか?
それはこのころパンゲア大陸が分裂するという天変地異が起こったのです。
大規模な地殻変動で、台地ができたり、川や湖が干上がったり、そうなると水辺が住処のワニ
には大きなダメージです。
もちろん、新たにできた川や水辺もあるのですが、そこまで引越しないと生き残れません。
恐竜にもつらい時期だったのでしょうが、ワニよりは生き残るのに有利だったということでしょうか。
その後、恐竜を載せたまま大陸は分かれて海を漂流し、そのおかげて世界のあちこちに恐竜王国が誕生し、成長したのでした。

しかし、ついに終わりの日がやってきます。
巨大隕石が地球に衝突し、白亜紀はとつぜん幕を下ろします。
この巨大隕石の影響はその後長い期間にわたって、地球気候に大きな変動を与えました。
太陽光線は届かず、雨が降れば強酸性雨、植物は枯れて、水は濁る・・・。
それを生き延びたのが、ほ乳類で私たちの祖先です。
小さな体に少なくてよい餌、雑食で何でも食べる、ちょこまか動いて、こそこそ隠れられる、
これですよ、生き残りに必要なことは!

ということは・・・
この次の天変地異委で、私達が滅んだ後、生き残れるのはやっぱり昆虫なのでしょうかね?!

SS

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[2021/02/05 08:13] | | page top
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