ベトナムの自作自演歌手MAI KHOIの2018年のアルバム「DISSENT」を紹介します。 最近NHK「BS世界のドキュメンタリー」で「マイ・コイ 反逆の歌姫」(2019年アメリカ制作)なんていう番組もありました。 これを見ればこのアルバム制作の背景などがよく分かります。 あれこれ大変なんですよ。 マイ・コイ君は元々ベトナムの人気歌手で、いわゆる(世の中のうわべで生きている)アイドルという感じでした。 その上国家の後押しもあり、前途洋々たるものでした。 ・・・が、全てが手に入ったと思われた人気絶頂時に「虚しさ」を感じるようになります。 「表現の自由」が無い事に気が付いたのです。 それからは国家の問題点を告発するような歌を歌うようになります。 って簡単に書きましたが、簡単にできる事じゃないですよね。 そして国からも要注意人物として扱われてしまいます。 対外的にも積極的で、ベトナムにやってきたオバマ君(当時大統領)と会見して窮状を訴えたり・・・。 これまたベトナムにやってきたトランプ君(まだ大統領)が車で通る時に、マスコミで取り上げられるように目立つプラカードを掲示したり・・・。 (因みに「くそったれトランプ」って感じですか。) オバマ君とトランプ君とでは同じ大統領でも扱いが違うな~。 なかなか分かってるじゃん。 さて、アルバムは「逮捕されるかどうか」という厳しい状況下、ベトナム国内で録音されたものです。 何を歌っているかは(外国語が不得手な僕では)分かりませんが、最初に紹介したテレビ番組では訳詞が少し出ていました。 研ぎ澄まされた歌声と演奏は緊張感と斬新さがあり素晴らしいです。 文字通りアンダーグラウンド的に制作されているせいか楽器や音数は少なめですが、それがかえってピュアな音像を作り出しているように思えます。 ここに書いたような背景を知らずに聴いても、文句なしのアルバムでしょう。 (実際、僕はドキュメンタリーを見るまで詳しくは知らずに聴いていました。) ベトナム国内では発禁のようですが、ノルウェーで無事にリリースされたので、世界では自由に聴く事ができます。 KS |
| ホーム |
|