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建築としての美術館
ここ数年、美術館や画廊に行きまくりました。
美術が好きだということもありますし・・・
自分の仕事のデザインの肥やしにするということもあります。(ウソ)
この一年はコロナ君に邪魔されてペースが落ちましたが。

好物は前衛的なモダン・アートやプリミティブ・アートですが、波長が合えば普通の具象も見ない訳ではありません。
例えばティツィアーノ、ボス、ルソー、ヴィジェ・ルブラン、バスキア、クリヴェッリ・・・普通じゃない具象も混じってますね。

展示品や企画内容は勿論ですが、器である美術館自体(つまり建築)、展示方法にも興味があります。
そして当たり前ですが、鑑賞する際には美術館そのものの良し悪しがかなり左右します。
客の動線、見やすさ、空間性、照明方法などのハード面だけではなく、ワクワク感が持てるかどうかも重要です。

そういった観点から見ると、現代的な新しい美術館、もっと言えば美術館として設計したものが必ずしも良い訳ではないのです。(特に日本の場合)
温度・湿度などの管理、照明計画、作品の保管、セキュリティーなどは最新の技術で計画されているのでしょうが、それだけじゃじぇんじぇん足りません。

首都圏で特に面白くない3大美術館は・・・
横浜美術館
横浜美術館
東京都現代美術館
東京都現代美術館
国立新美術館
国立新美術館
共通して言えるのは、外観とエントランスとロビーだけ「こけおどし」だということでしょうか。
肝心の展示室に入ると貧しい空間で退屈。
(展示室だけに注目して館内を回ってみれば分かります。)
はっきり言って、美術を楽しむ事が分かっていない見栄坊設計。
国民の税金をたっぷりと使いましたって言っているみたいですね。

もっと古い近代建築で言えば・・・
東京国立近代美術館
東京国立近代美術館
東京都美術館
東京都美術館
これらは田舎の温泉ホテルを思い浮かべます。
以前、ある美術関係者が言っていましたが、「つまらない美術館を設計するのは遊びを知らない建築家。」だとか。

じゃあ、何がいいかというと、案外魅力的なのが他の用途から転用した美術館。
例えば閉館予定らしい原美術館
原美術館
このブログでも運営について文句を言った東京都庭園美術館
東京都庭園美術館
古い小割のプランの建物を無理やり使用しているのがかえって空間的変化をもたらしており、意外性もあって楽しめます。
建物の空間性と作品との両方を鑑賞できる、というか、まるで最初からそこに飾られているものを見ている感じというか・・・。
展示は、部屋に合わせなければならないので大変でしょうが、やりがいはありそうです。

似たような意味で、案外注目すべきは画廊や小さな美術館。
狭いスペースや特殊な空間を逆手に取って、固定観念に捕らわれず挑戦しているところもあります。
倉庫を画廊に転用した所の方が新築美術館より魅力的、なんてどういうことなんでしょう。

何でも問題なく無難に飾れる体育館か多目的室みたいな部屋を作っておけばよい、というのはこれからはダメなのでしょう。
美術館の内装は「展示物と喧嘩しないように」などと分かったような事を言って黒子のような無個性なインテリアになりがちですが、それもちょっと考え直さないと。
建築家だけでなく、企画や発注をする美術館側のセンスやアイデアの無さも問題だと思いますが。

KS

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[2020/12/31 09:12] | 建築 1 | page top
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