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私が生きた時代
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久し振りにBUNKAMURAザ・ミュージアムに行き、ベルナール・ビュフェ回顧展「私が生きた時代」を見ました。
タダ券があったからなんですけどね。

何作かピエロの肖像画がありましたが、自画像を兼ねているものもあります。
自分の人生とピエロの道化を重ね合わせていたそうです。
このバックが赤のピエロはなかなかいいですね。
その表情はおよそ「ピエロ」という感じではなく、まっすぐこちらを見つめる死神のようです。
ピエロの顔
次はキリストの十字架が題材だそうですが、設定は現在のようです。
右の端にたたずむ父と子は、在りし日のビュフェ親子だそうです。
母を亡くして茫然自失のビュフェとその父親。
父親に愛されなかった彼は、なおさら母を無くして途方にくれたのでしょう。
この幼年時代のトラウマは成人したのちにも彼を苦しめ続けます。
キリストの十字架降下
次の作品のモデルは妻のアナベルです。
ビュフェのミューズだった彼女は、多くの作品に登場します。
エレガントな雰囲気の美女ですね。
でも作品から漂う影のような暗さは、彼女の美しさをもってしてもぬぐいがたい。
夜会服のアナベル
モデルにも恵まれ、才能も評価され、幸せだったかというとそうでもない。
いつも孤独で悶々としていて、その苦しさから逃れたくてアルコール中毒になり、2度の治療を余儀なくされたそうです。

ずらーっとならんだ作品を見ると、とげとげしくてちょっとヤな気分になりますね。
でも「カニ」や「魚」「花」を題材にした作品は、勢いと生気に満ちあふれていて、私は好きです。
すごい才能だと今更ながら思います。

試行錯誤も重ねていたようで、「え?!これがビュフェ?!」というような写実的な作品もありました。
いつも表現に関して、どん欲に探究を重ねていたのでしょう。
それが見られて今回は収穫でした。

SS

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[2020/12/27 08:30] | アート 2 | page top
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