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結石
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銀座メゾンエルメスフォーラムでシャルロット・デュマの展覧会「ベゾアール(結石)」を見ました。

この人はアムステルダムを拠点に活動する写真家だそうです。
馬・自然・人間を題材に、生と死を意識して作品を作っているようです。
写真からは、馬と人間のふれあいや友情を感じられます。
布を使って海のうねりを表現したり(上の作品)、写真の中にも美しい布が風をはらんでふくらむ様子が写されていたりします。
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この大きな曲面に展示された写真は、やってみたかったレイアウトなのでしょうが、やはり少し弱く空間に負けてしまっています。
右奥は馬のハニワなのですが、これはこの人の作品ではなく、どこかの博物館から借りてきたようです。
今回こういう「借り物」が多く、布やベニヤの家具もそうですが、人の作品が多いのも気になりました。
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これもそうなんですよね。
左手前の曲面家具、これはこれでよいのですが、裏に回るともろに裏側が見えるのが少し残念!
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こちらがそのタイトルにある「ベゾアール」、馬の胃の中にできる結石です。
これが大きくなると馬は死んでしまうそうです。
人間も結石ができると痛いですよね。
馬だって、こんな大きな石ができれば苦しいに違いないでしょう。
それでも、古来この結石は神秘の力を秘めているものとされ、珍重されたようです。
それもわかります。
まるで惑星のようで、表面はなめらか、飾っておきたくなるような魅力を漂わせています。
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SS


シャルロット・デュマ選手の作品が小さくて少ないので間が持たなかったからか、テキスタイル・デザイナーの青い布や建築家の会場構成でお茶を濁そうとした感があります。
けれど、その助っ人達も吹抜の会場を活かしきれず、チマチマした空間と貧相な張りぼてで足を引っ張っている、といった印象でした。
それ程大きなスペースではないですが、この空間の魅力を引き出せないのは、毎回の展示の課題でしょう。
今回初めて吹抜を上階から見下ろせた事が、自分にとっては最大のメリットか。
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KS

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[2020/12/01 08:23] | アート 2 | page top
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