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建築は芸術か?
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パナソニック汐留美術館で「分離派建築会100年展 建築は芸術か?」を見ました。

分離派建築会は1920年に東京帝国大学生6名が始めた日本で最初の建築運動で、「過去の建築圏からの分離」を宣言しています。
当時、世界で多くの芸術運動が勃興しており、それらの影響を受けたものと考えてよいでしょう。
そもそも「分離派」はミュンヘン分離派やウィーン分離派といったヨーロッパの芸術運動で、その名前をちゃっかり拝借したようです。
この時代の芸術運動は僕の興味のあるところなので、早速展覧会に行ってみる事にしました。
山の家
建築は彫刻などと違い、計画がなかなか実現しない事が多いのですが、彼らの場合は徐々に実施作品を残していきました。
建築の方向性としては、西洋建築のそれまでの様式(東京駅みたいな疑似様式)から脱却したモダニズム前夜の模索と言えるかもしれません。
その頃の試行錯誤の建築デザインって面白いんですよね。
今も再放送している「名探偵ポワロ」にもそんな感じの建築が出てきますよ。
その後、(当時としては革新的ではあるけれど)退屈なモダニズムとして発展していきますが。

実施例は例えばこんなの。
次の写真は東京中央電信局です。
「これは何か変だぞ!」と見に行きたくなりますが、残念ながら今はありません。
京中央電信局
展覧会場には東京朝日新聞社のでっかい模型もありました。
建築模型って、当時設計者がデザイン検討用に作ったものはあまり残っておらず、後から模型自体を見せる為に誰かが作った小綺麗なものが多いので、その辺ガッカリします。
東京朝日新聞社 2
現代では、建築模型どころかこの頃の建築で現存するものが少なくなってきています。
経済性ばかり考えて建て替えるのではなく、しっかりとメンテナンスをして使い続ける事も考えてほしいです。
世間ではこれらの建築の良さが分かっていないのでしょうね。
東京朝日新聞社(次の写真は在りし頃)も壊されて、無個性で最悪な有楽町マリオンになってしまいました。
保存すべきは寺や神社ばかりじゃないわけです。
東京朝日新聞社
ところで「建築は芸術か?」というタイトル。
(この展覧会はそう言いたいんでしょうが)建築家にとって建築は芸術なのでしょう。
けれど同じ「建築」でも、ハウスメーカーや建売の家、またマンション・オフィス・工場などのほとんどは、おこがましくも芸術とは言えないですよね。
逆に言えば、そういうものを設計している人達は設計者だけど建築家と言えるのでしょうか。
「芸術家としての建築家」と「業者としての建築設計者」とでは、似たような仕事をしているようで接点はあまりなく、建築に対する考え方も大きく違うようです。

以前は「建築は芸術か?」「建築家とはなにか?」のような問いかけや議論がありましたが、最近はあまり聞かなくなりました。

KS

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[2020/11/24 08:21] | 建築 1 | page top
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