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楽園の謎 1
アンリ・ルソー楽園の謎
岡谷公二の「アンリ・ルソー 楽園の謎」を読みました。
自宅や事務所(アトリエ)、そして設計をしている家をジャングルのようにしたくなって、参考にならないかと読んでみたのです。

皆さん、ルソー君をご存知だと思います。
アヴァンギャルド幕開けの時代にヘタウマな具象画を描き、そのくせ遠近法を使わず、書き割りのようなジャングルを描いていた日曜画家、といった感じでしょうか。
絵は日本でも人気がありますよね。

ルソー君は、長らく生活の為にパリ市の税関吏(24時間勤務で24時間休みなんて事も)をしていました。
50歳を過ぎて一念発起、退職して絵描きになりました。
という事で、特別な美術教育は受けていませんがプロの絵描きです。
作品が一般的に評価されたのは死後なので、退職後の絵描き時代は極貧暮らしだったようです。

当時、ルソー君の絵の買い手は、描かれた絵具を溶かして剥がし、中古のキャンバス(画材)として売っていたそうです。
つまり、生前は絵描きとして軽んじられていた、というか相手にされていなかったのですね。
マスコミや評論家等からも徹底的にバカにされていたのですが、それにめげない精神力は大したものだと思います。
現代人だと鬱にでもなりそうですが、彼の場合ベクトルが変な方向に向いていてそれ程気にならなかったのかもしれません。
赤ん坊のお祝い!
でも、ルソー君のこんな事実はご存知でしたか。
・アンデパンダン展(無審査・無賞・自由出品の美術展)では、ルソー君の絵は(客はバカにして笑い転げていたが)人気があった。
・ピカソ君など一部の前衛芸術家(絵描きや詩人)はルソー君の絵を高く評価した。
 例えばピカソ君は、ルソー君の絵を数枚二束三文で買ったが生涯大切にした。
 例えばピカソ君と仲間の前衛芸術家達は、ルソー君の為にアトリエで盛大なパーティーを開いた。
・権威主義者だった。(アカデミズム信奉者で、身近な前衛芸術には無頓着)
・ジャングルに行った事がない。(メキシコ遠征に加わったと言っているがそれはウソで、植物園で写生をしていた。)
 因みに、ジャングルの絵に出てくる動物や人物は、雑誌や新聞の挿絵や写真を見て描いていた。
・色々な楽器(ヴァイオリンや管楽器)演奏や作曲が好きで、市民楽団に所属したり、近所の人に音楽を教えたり(?)していた。
・2度犯罪に関わっていて、投獄された事もあった。
・自己にまつわるお化け話は有名で、降霊術を信じていた。
・フリーメーソンのメンバーだった。
・何と絵を教えていた。

続く。

KS

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[2020/10/29 11:06] | | page top
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