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UNCLE BOONMEE
ブンミおじさんの森
今回は、以前少し評判になった映画「ブンミおじさんの森」です。

アピチャートポン・ウィーラセータクン監督・脚本による2010年のタイ映画です。
タイ映画史上初めてカンヌ国際映画祭で最高賞を受賞しました。
その時の審査委員長が(映画監督の)ティム・バートン君だったので、僕も興味を持った次第です。

一般ピープルにとっては、タイ料理は美味しいけどタイ映画なんて「なんなもな~」でしょうが・・・
僕にとってもそうでした。
タイトルから、「木こりのブンミの田舎での退屈な生活の話だろう。」などと勝手に思っていました。
カンヌで賞を取ったからって面白くないのも多いから、「万引き家族」みたいに見る気がしないかな~ってね。

が、ティム・バートン君も驚いていたように、そんなもんじゃありませんでした。
食わず嫌いと先入観はダメですね。
(でも日本語タイトル、頼むからもうちょっと工夫してほしかった。)
ブンミおじさんの森2
映画の内容ですが、「こんなのあまり観たことない!」というのが実感でしょう。
ティム・バートン君が言っている通り、美しく奇妙な夢を見ているような映画です。
主人公のブンミおじさんは死が近いのですが、ムードは暗くなくホンワカしています。
死んだ妻などが突然幽霊や精霊になって彼の前に現れますが、皆さん当たり前のようにノンビリ対話をしています。
常日頃タイ語は綺麗な言葉だと思ってましたが、この映画には特にマッチしているようです。
という事(?)で、全体的にそんな雰囲気の映画で、驚くような事が普通なのです。
ブンミおじさんの森3
見方によれば、美術館などで上映されるアーティストの映像作品を長編にしたようでもあります。
もしそうであれば、作品のコンセプトを知っていると理解しやすいのかもしれませんが、何も分からずボ~ッと見ていても特に問題ありません。
映画の編集も下手なのかわざとなのかさっぱり不明です。
「意味不明なシーンのあれこれ」の真意を知ろうとする事自体無意味に感じるような映画なのです。

レベルの低いアーティストは自分と似たような(自分が分かる範囲内の)作品だけを評価します。
その点、ティム・バートン審査委員長君は中々視野が広いと言えるでしょう。
(関係ないけどカート・コバーン君も案外視野が広いでしたよ。)
この作品、カンヌで見いだされなければ、ずっとチャオプラヤー川に沈殿していたでしょう。

KS

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[2020/10/20 08:05] | 映画 | page top
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