
ペッパーミルを使っていますか。
ミルと言えば、コーヒーミル。
コーヒーを入れる直前に豆を挽けば、格段に美味しくなります。
保存も当然粉より豆の方がいいですね。
いつの時代もオタク的に手挽きに拘る人がいますが、コーヒーを飲むのに日が暮れる、というかコーヒーを飲むのがだんだん億劫になるので、電動ミルで十分でしょう。
さて、本題のペッパーミル。
粒コショウをコーヒーと似た感じで挽くのですが、コーヒー程効果があるかどうかは分かりませんが、香りが新鮮なような気がするので悪くはないでしょう。
コショウは一回に少し(1-2回転)しか使わないので、こちらは手動が良いです。
ペッパーミルもコーヒーミルも、昔ながらの木製の古ぼけたデザインか、妙にモダンで安っぽいデザインのものが多いです。
レストランに行くと異様に長いものもありますが、それもこけおどしで意味なし。
そこで、マイケル・グレイヴスがデザインしたペッパーミルは如何でしょうか。
イタリアのアレッシー(ALESSI)製です。
イタリア製というと、見た目はいいけど使いにくかったり、ちゃちですぐ壊れるものも多くて不安ですが、このペッパーミルは自宅で30年使っています。
値段は高めですが、長年使い続けられるものなら良いかも。
イイ会社って、製品をコロコロ変えずに同じ製品を長く作っていますよね。
(その点、日本にはダメダメメーカーが多いです。)
但し、アレッシー製なら何でもいいかというとそうでもなくて、暫く使うと壊れるものもありました。

ところで、マイケル・グレイヴス君はアメリカのポストモダンを代表する建築家です。
建築家にはいろんなもののデザインができる人が多いのですが、こんなものまでやるんですね。
「全ての芸術の統合が建築だ」とバウハウスの頃から言われてますし。
マイケル・グレイヴス君の本業のポストモダン建築は、今では(音楽で言うとニュー・ウェイヴのように)軽く見られているように思いますが、当初の理念は悪くなかったように思います。
問題は形骸化した建築作品が世に溢れた事でしょうか。
さて、マイケル・グレイヴス君のペッパーミル、ぜんまいネジのようなデザインでふざけ方が程良い感じです。
(こういうのを見るとすぐ「遊び心」っていう人がいますが・・・嫌いな言葉です。)
ネジの部分がモノトーンのものもあり、それはそれで大人っぽい?
昔はこんな色のは無かったような。

ポップなデザインの割に、本体が分厚いステンレスなのでズッシリ重量感があり、そのギャップもいいですよ。
ただ、ステンレスの筒の横の穴からコショウのカスがはみ出してくるのを防ぐ為か、内側にプラスチックの筒が入っているのが少しシラケます。
「デザインと製品化との間での泥縄な解決策」という感じがしました。
まあ、外からは見えないからそれは良しとしましょう。
という事で・・・食卓にあるだけで楽しい一品です。
逆に食卓を選ぶデザインかもしれないけれど。
KS