![]() 港区立郷土歴史館に行ってみました。 展示ではなく、建築自体を見たかったのです。 内田祥三君の設計で1938年竣工の旧公衆衛生院(なんだそりゃ)だそうです。 因みに東大の安田講堂も設計した人ですね。 場所は地下鉄白金台駅からすぐ近くで便利? この近所には時々行くのですが、この館については存在自体知りませんでした。 さて、建物です。 建築様式は意匠的に価値の低い似非ゴシックです。 けれど、空襲や取り壊しで古めの近代建築が少ない日本では、この手の建物は崇められているかも。 ゴスの人達も闊歩していると似合いそうですよ! 上から見ると建物は馬蹄形をしており、中心に階段吹抜のあるホールがあります。(最初の写真中央辺り) その空間が小振りながらなかなか良い雰囲気です。 (悲しいことに建築で「ホールが一番の見せ場」って事多いですけどね。) ![]() ここの場合、階段を上下するとホールの様子が色々と変わり、工夫されています。 エレベーターじゃなくて階段を使って楽しみましょう。 写真に撮り忘れましたが、地下に下りるとホールに他の階とは違った一工夫があります。 (興味のある方は現地をご確認ください。) ![]() ホールの周囲にある階段自体も面白いんですよ。 階段からホールを眺めるだけではなく、階段自体も眺めて楽しみましょう。 ![]() よく見ると造形も複雑で目を楽しませてくれます。 形状をよく分析してみると、デザインというより偶然の産物という感じもしますが。 (残念ながら現物より写真の方が良いです。) ![]() 外観と違い内観は改修しているようですが、元の雰囲気を残しているような残していないような・・・。 古い建物の内装改修って悩ましい部分ですね。 (日本の場合、失敗しているケースが多いです。) でも、馬蹄形のプランなので、廊下の曲がりはそのままです。 ![]() 行先が見えなくてよく分からないというのは、不安もありますが期待感を持たせます。 ウェブサイトに「ここで迷うのも楽しい。」と書いている人がいましたが、その通り。 単純な馬蹄形プランなのに何だか迷った感じになるのです。 地味な建物かもしれませんが、侮れません。 そう言えば最近、毎日新聞日曜版でも取り上げられていたような。 地味な常設展示(区民しか興味の沸かない港区の歴史)や地味な企画展もやっているので一度行ってみると良いかと・・・。 KS |