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THE BOYS FROM BRAZIL
THE BOYS FROM BRAZIL
フランクリン・J・シャフナー監督の映画「ブラジルから来た少年」(1978年作品)を初めて見ました。
この監督は「猿の惑星」「パットン大戦車軍団」「パピヨン」などを撮っています。
今回の映画も有名なようですが、ほとんど予備知識無しで見ました。

元ナチスの軍人たちが集まって94人の男たちを暗殺する計画がある、というところから始まります。
ところが、標的の男たちというのは、平凡な農夫や郵便配達人で、政治的に過激なわけでもなく、お金持ちなわけでもありません。
ではなぜ???
中心人物は、ヨーゼフ・メンゲレという医者兼科学者。
実は彼は、生前のヒトラーから直々に血液を分けてもらい、それをもとにヒトラーのクローンをブラジルで作ったのでした。
その赤ん坊を世界各地で養子縁組し、養父母に育てさせていたのです。
もちろん、養父母たちはヒトラーのクローンとは知りません。
そのうえメンゲレは、ヒトラーの正確なクローンに育て上げるため、家庭環境をヒトラーと同じにしようとたくらんでいたのでした。
つまり、14歳で父を亡くしたヒトラーと同じようにするため、養父を殺そうという計画です。
計画が実行され、不審死を遂げる人が何人かでてきたところで、ジャーナリストのリーベルマンが気付きます。
彼はユダヤ人で、ナチ・ハンターです。
彼の所に情報をリークしようとした青年が殺されますが、計画はなんとか伝わります。
そこで次に狙われそうな人の所へ向かいますが、なんとメンゲレと鉢合わせしてしまいます。
THE BOYS FROM BRAZIL 2
というようなストーリーですが、私が驚いたのは、これが1978年の映画だということです。
クローンやIPS細胞がメジャー(現実)になる前の話だというのに、すごく時代を先取りしてませんか。
それともうひとつ身につまされたのは、「ヒトラーのクローンの少年は殺すべきだ!!」という人に対して、リーベルマンは「罪も犯していない少年を殺してはいけない」と諭します。
人は遺伝子や環境を似せたとしても、同じに育つわけではない、と彼は分かっているのです。

でも実は、クローンでなくても、ヒトラーの思想を受け継ぐ者は今日も生まれていて、ネオナチに育っているのです。
人は遺伝子ではなく、心に思うことによって、独裁者にも博愛者にもなる、ということでしょうか。

SS

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[2019/10/14 08:03] | 映画 | page top
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