目黒雅叙園で見た「百段階段展」の続きです。
今回は百段階段から入った諸々の宴会場について。
前回行った時は確か宴会場は日光を入れて明るくしていたと思いますが、今回は闇に浮かび上がった感じでした。
(外部の耐震補強工事の影響かもしれませんが、これはこれで印象深いでした。)
障子は花菱型の格子です。
ところどころ違う込み入った格子が組み込まれており、離れてみると稲妻のような模様が浮かび上がります。
最初の部屋は寒かった!しんしんとした冷えが伝わってくる部屋でした。

次の部屋。
のけぞって天井を見上げている人がいますが、その気持ちわかります。
格子天井の中にさらに円形にかたどられているのは、季節の花々です。
レリーフ状なので、すごい迫力です。
美しいというよりは、おどろおどろしい。
ここで宴会した人は天井を見上げて首が痛くなった?!

この部屋もレリーフがすごい!!
床の間正面の美人画は「春」をテーマにしているそうです。
ですが、なにがすごいって絵よりも両側の床柱です。
一木から彫り上げたレリーフなのです!
向かって左が「浦島太郎」、右が「養老の滝」。
玉手箱を開けて老人になった人と、養老の滝の水を飲んで若返った人との対照がテーマなんだそうです。
やっぱり酒飲んで楽しくしましょうや!というのがテーマですかね。

こういうおとなしめの部屋もあります。
すごいレリーフに圧倒されたあと、こういう部屋に入るとなんだかホッとします。
身近な題材(食材)をテーマに、春夏秋冬を表しているそうで、よく見るとキノコや雑穀など、あまり絵の題材に描かれないものまであります。

大勢の芸術家や絵師を集めて描かせた各部屋の意匠は、それぞれに異なり、個性があります。
ライバル意識もあったでしょう。
他と違うものを描くぞ!という意気込みもあったでしょう。
これを描いた当時の人々の、昂揚感を感じました。
今に伝わる昭和の夢ですね。
SS