
この前行った千葉市美術館ですが、実は建築自体とても変わっていることが分かったので紹介いたします。
まず、道路の反対側に行かないと、こんな外観だとは気がつきません。
道路ギリギリ絶壁のように建っていて、その上デカいので。
外観自体はあまり素敵じゃないですね。
と言うか「変わっている」のは外観のデザインのことではないのです。(少しは関係ありますが)
この建物、1階に役所も入っている複合ビルなのですが・・・。
1927年に建てられた建物(元川崎銀行)が、1995年にできた新しいビルに覆い被されるようにして保存されているのです。
古い建物の外観は、新しい建物がマウントしているのであまり見えませんし、原形も想像できません。
これって発想は面白いしあまり聞かない手法だけれど、外観の保存と言えるのかは微妙ですね。
次の写真は外観正面です。
両側の大きな柱は新築、奥の4本の疑似柱は既存(古い銀行のもの)です。
まるで古い建物が牢屋に入れられて、こちらを覘いているみたいです。

何も知らなければ見過ごしてしまうかもしれません。
新しい部分のデザインや色も多少整合させているので、古い建物部分は注意してみないと外からは分かりにくいです。

室内は新しい建物玄関を通って入ることができ、列柱のある魅力的な大空間が保存されています。
新しい建築の中に突然古いインテリアがあるので、不思議な雰囲気です。
現在は安直に「貸しホール」だそうです。
折角なので、もっと有意義で開放的な用途に使えるのでは、とも思ってしまいました。
この手のものの保存・再生はヨーロッパ人が得意ですよね。
学んでほしいところです。

展覧会に行ったら、ここも是非覘いてみてください。
僕は初めて行った時、何か変だと思いながらも美術館以外は素通りしたので、何も気がつきませんでした。(おバカ)
今回、予備知識無しで謎解きのように気がついたので、ちょっとワクワクしました。(それもおバカ)
KS