![]() 東京都庭園美術館で「ブラジル先住民の椅子」という展覧会を見ました。 タイトルだけ聞くと「なんじゃそれ?」と興味が湧きませんよね。(タイトルは一番大事、魅力あるものを考えませう。) が、私はチラシの写真を見た瞬間から、必ず行こう(つまり前売を買おう)と決めました。 展覧会の内容は、ブラジル先住民の作った椅子の展示です。 椅子と言っても、風呂椅子みたいな背もたれの無いコンパクトなものです。 ![]() これらの椅子は、日常の生活だけでなく、儀式などでも使用されるそうです。(但し使えるのは男のみ) その上、過去の遺物ではなく現役です。 勿論、店で買って来るのではなく、村人自身が生えている木から作ります。 なので、部族によってデザインなどが違うようです。 製作の様子も映像で見ることができましたが、木を倒した場所で大方の形を作ってしまうのにはビックリしました。 ![]() その椅子が、これでもか、これでもか、と展示されているのです。 本館は、折衷アールデコ調の古いインテリアと相まって椅子の展示がとても馴染んでいました。 椅子が埋没する(目立たない)といけない、と思ったのか、白い丸テーブルの上に展示されているものも多いでしたが、白いテーブルはかえって安っぽい感じがしました。 テーブルの上に椅子、というのも変ですよね。(よく考えて展示しませう。) (私の嫌いな建築の)新館だけは次の写真のようにシュールな展示となっていて、これは案外良いと思いました。 白くて丸い饅頭のようなものはクッションで、そこに座って椅子を鑑賞できます???? ![]() 椅子を動物のオブジェとして展示している感があるのですが、実際にはこれに大の大人がまじめに座っていることを想像すると笑えます。 またいで座るとオマルのように見えるものもありますしね。 (多分またいで使うことは無いと思いますが・・・) このような変わった展覧会は滅多に無いので是非おいでください。 庭園美術館は庭を含めて全面改修が終わったと思うので、ゆったりと楽しめますよ。 9/17(月)までやっています。 ところで、東京に生まれ育つと、首都圏で行われていること(展覧会・演劇・映画・ライブのような文化的発信)に不感症になってきます。 貴重なものも開催されているのですが、いつでも見られると思ってしまうのですね。 ボケっとしている間に大事なものが目の前を流れていく感じです。 一時的に地方や外国で暮らすと、そのありがたみが分かるのですが・・・。 戻って暫くすると、また不感症になっています。 以前、ある美術館の展覧会の終了間際にフランシス・コッポラが駆け込んできた、という話を聞いたことがあります。 やはりそのぐらいの貪欲さで文化を吸収しないとだめですね。 KS |
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