![]() 渋谷の松涛美術館で三沢厚彦という人の「アニマルハウス:謎の館」展を見てきました。 名前は知らなくても、この動物(実物大で製作)の顔に何となく見覚えのある方もいるのでは。 このかわいげのない・感情移入できない・ひとごとのような面をした動物をたくさん見てみたかったのです。 展覧会のタイトルが「アニマルハウス」。 これはイギリスのロックバンド「アニマルハウス」ではなく、映画「アニマルハウス」からとったそうです。 映画の方は、ジョン・ランディス監督(「大逆転」がGOOD)、出演はジョン・ベルーシ(ご存知「ブルース・ブラザース」)、トム・ハルス(「アマデウス」で主演)、ドナルド・サザーランド(「マッシュ」で主演)など曲者が勢ぞろいしています。 60年代アメリカの大学のサークルでのシッチャカメッチャカな学生生活を描いたコメディーの傑作(?)です。 私もロードショーで見ました。 大学生の時、イギリス人の先生が「これはまさしく私の青春だ。皆さんも見るように。」と授業で興奮していたのを思い出しました。 三沢厚彦って人もあれが好きなのか・・・。 ![]() さて、展覧会です。 どうも雰囲気が変です。 作品に一貫性が無いと思ったら、仲間を5人ぐらい集めての展覧会になっていました。 これがイマイチ。 各々の作品はそれなりなのでしょうが、色々な作品が混ざった謎の館にしたかったのでしょうが、これがうまくいっていない。 バラバラといろんな傾向の作品が雑然と並んでいるだけのようにしか見えませんでした。 残念ながら、傾向の違うものが合わさって素晴らしい化学反応を起こしている、とは思えないのです。 三沢厚彦のヘンテコな動物のアニマルハウスなり動物園だけにして、他の人は無し、もしくはアニマルハウスの空間を盛り上げられるような人(空間デザイナーや建築家)を呼ぶべきだったのでは。 ![]() もうひとつ残念なのは、動線です。 (これは作品とは関係ありません。) 以前にも書きましたが、この美術館は小さいので、1階のホールから階段かエレベーターで地下1階に下りそれから2階に上がるように、階数を飛ばして上下する順路になっています。 これが良くない。 何とか階数が連続するよう順路を工夫できないものでしょうか。 階段も妙なデザインなので、それを上り下りするのは面白いと思います。 次の展示階にいくのにエレベーターで、というのはかなりシラケます。 (エレベーターを待つ状況、エレベーター内の白々明るい照明など全てが艶消し) 少なくとも展示階が連続していれば(高齢者やハンディのある人は別として)階段を使う人も増えると思います。 階段室にも作品が展示されていましたからなおさらです。 ここに来るといつも思いますが、展示方法と回遊動線の工夫が足りない、というか展示と建築空間とがうまく整合していないのです。 折角の中庭もありがたみがありません。 もし今の展示動線を変えられないとしたら、元々設計が悪いということでしょうか。 小さいけれど凝った美術館、というのは貴重なので残念です。 色々書いたけれど、もちろん行って損はありません。 ここは入館料も安いしね。 展覧会は数日を残すのみ。 KS |
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