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スアール・アグン
スアール・アグン
バリ島のガムラン音楽を演奏する巨竹オーケストラのスアール・アグンのコンサートに行ってきました。
竹のガムラン音楽「ジェゴグ」の最高峰ということで期待は高まります。
実はバリ島には何度か行っていて、(違いは分かりませんが)音楽や踊りも観ているので、どんな感じかは想像がつきます。
こういった音楽はやはり本場で聞くのが一番、と思っていました。

けれど、ホールに入って、ステージを見ると、何か良い感じです。
よく見ると装飾は最小限で、ほとんどは楽器が並べてあるだけです。
(この時の背景は映像ですけどね。)
楽器でこれだけ雰囲気を出せるのにはびっくりです。
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音楽は、最大20人ぐらいの編成の竹のガムラン音楽です。
とにかく竹の木琴のような楽器を連打します。
高音用、低音用などがあるようで、パートに分かれています。
低音用は余韻が凄いので、それが通奏低音のようで、とても心地よいです。
最初は本当に竹の出す低音なのか、と他の楽器が無いか探したぐらいです。

音楽自体は、はじめは迫力に驚きますが、(この音楽に精通していないと)だんだん慣れて飽きてきます。
どの曲も似てますし、曲自体もリズム主体で変化が少ないからです。
けれども、楽器を太鼓に持ち替えたり、笛がでてきたり、合唱や掛け声が入ったりと、ステージ向けに構成が工夫がされていて、最後まで楽しめました。
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要所で女性4人の踊りも入ります。
これも華やかで、物語のありそうなものもありました。
全てにシンメトリー性を重視したようなステージングで、構成的で興味が湧きました。
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バリ島自体は行く毎に商業化されています。
本当にバリ島を愛する人は行かなくなった、という話も聞きます。
向こうで観る音楽や踊りは、観光客向けに洗練されてショーアップされてきましたが、本質や素朴さはどうでしょうか。
現地ではそんなことを感じました。

今回、東京のステージで観てみて、これはこれで良いと思いました。
現地のムードから切り離されてみると、新たな魅力も感じられました。
伝統芸能というと、日本では妙な使命感があったり、逆にやる気が感じられなかったり、保存会的なつまらなさがあります。
今回はステージ近くで演者の表情まで良く分かったので言えることですが、とてもプロフェッショナルだけれど自分達も本当に楽しそうでした。

ところで、途中で、3人ほど演奏者が失神してしまいました。
ものすごい勢いで演奏している曲のラスト近くで、感極まったといった感じでした。
演奏した皆さん、ひとりだけ白い服を着た偉そうなメンバーに水をかけてもらっていました。

KS

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[2016/10/03 08:44] | 音楽 1 | page top
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