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謎の独立国家
謎の独立国家
高野秀行の「謎の独立国家ソマリランド」を読んでみました。
500ページを超える厚めの本で、内容も全く未知だったのでどうなのかな、と思いましたが、とても面白く読めました。
(面白いなどと言ってはいけないのかもしれませんが。)

日本では内戦や海賊で報道されるけれど、実体はだれもよく知らないソマリアに実際に行ってみる、というルポルタージュです。
高野秀行は、辺境作家などと言われているようで、世界の辺境の探検、未知生物の探索などを生業としている恵まれた方のようです。
他の本も読んでみましたが、(年齢よりも若ぶった言いまわしはあるものの)読みやすく、とても実直な感じがします。
どこかの辺境などに行く前には、案外「こうだ」という入れ込みがあるようですが、自分で調べたり実際に行ってみて、考えていた通りではないことがわかってくると、とても素直に考えや方針を改めます。
その様子がとても面白かったりもします。
だからこそやらせ的なことが無いのでしょうね。

とにかく作者の現場主義というのがとても良いです。
ニュースや本や政府などが分かったように言っていることが、実際に行ってみて巷の人たちと生活を共にしながら話してみるとこうも違うのか、ということが分かります。

私は建築の設計をしていますが、建築家の中には現場に行くのがあまり好きではない人もいます。
私は現場が好きで、本当は一日中でもいたい方ですが、そうもいかないので我慢しています。
やはり現場でなければ分からないことは多く、職人さんと話していても知識が増えます。
デザイン・スケッチや設計図だけ描いていてはダメなのです。
どの世界でも同じなのでしょう。

それからこの作者の偉いところは、現地の言葉を学んでから行くことです。
外国語というと、どうしても先のことを考えたりして、スペイン語ならいろんな国で通じるな、とか中国語は使う人は多いけれど通じる国は少ないかな、などと打算的になりがちです。
この人は、行くことに決めた辺境で使われている言語でも学ぶのです。
勿論、ほんの少数民族の言葉もあるわけです。
その後の利用価値なんかを考えないところが純粋ですね。
そして、現地に入り込みやすい。

とまあ、全く紹介になっていませんが、面白くて案外勉強になるので、是非読んでみてください。

KS

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[2015/11/21 07:35] | | page top
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