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歪笑? 矮小? 斜陽産業?
歪笑小説
東野圭吾の「歪笑小説」という小説です。
この作家はとてもメジャーになっていますが、今頃ながら初めて読みました。
実は東野圭吾を読みたかったというよりも、この小説のテーマが気になったからです。
「歪む笑う」と書いて「歪笑」。
「ひひひひ・・・。」とシニカルに笑う感じでしょうか?

登場人物は、小説誌の出版社に勤める編集者、売れない新人作家、中堅作家、それを取り巻く人々。
しかし、読みつつ特に強く感じることは、出版業界というもの崖っぷちに立たされた世界なのだなあ・・ということであります。
雑誌が売れない、本が売れない、と言われてからもうずいぶん経ちますが、いよいよ抜き差しならない所へきてるのかなあ・・という感じです。
「新人賞」と言っても、100近くあり、それを取ったからといって、小説家としてメジャーになれるわけでは全然ない。
話題になってる新進気鋭の若手作家といっても、年収は300万がいいとこ、結婚しようにも、相手の親からは渋い顔をされる、などなど。
それぞれの思惑で、あれこれ画策する人々が絡み合って、情けなくも面白い人間模様が展開されていきます。

建築業界にも、こんな日が遠からず来るような、なんだか他人ごとでははいような、そんな予感がして、タメ息といっしょに、やはり力なく「ひひひ・・・。」と笑う私であります。

SS


出版業界の不況が言われています。
建築家も自分の作品を雑誌に掲載してもらうことが多いので痛感しています。
結局、書籍も電子化の流れのようですね。
音楽は、曲のダウンロード販売により、自分の首を絞めた状態になっているようにも見えます。
ある音楽映画を観たら、「今どき金出して音楽を買うやつなんていないよ。」なんてセリフを言っていました。
確かに極端なことを言えば、世界でひとりが購入して後はコピーってこともありえますよね。
本もそうなっていくのでしょうか。
この小説の底に流れる不安感も、このあたりが関係しているのかもしれません。
しかし、世の中の流れだ、と割り切って思考停止になるのはまずいと思いますよ。

KS

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[2012/10/23 07:10] | | page top
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