用事で宮の坂に行ったついでに宮坂区民センターを見てきました。
一般の人が見て面白いものでは無いかもしれませんが・・・いわゆる公民館なんで。 ![]() ![]() この辺りはあまり馴染みがないかもしれないので、簡単な説明から。 宮の坂は東急世田谷線にある駅です。 世田谷線はチンチン電車の「玉電」の一部が残ったものです。 現在、三軒茶屋と下高井戸の間を走っています。 (電車が歩いている、というようなスピード感ですが。) 昔は上の写真にあるような風情のある電車でしたが、今は近代的なペラペラな車両になっていました。 問題の宮坂区民センター(なぜか「の」が抜けている)は、宮の坂駅に寄り添うような感じで建っています。 実は、80年代後半、まさしくバブルの頃にこの建物の設計コンペがありました。 設計コンペとは、ある建物の設計案(アイディア)を募って一番良いものを選ぶことです。 ここの場合、1等に選ばれると実際に建てることになっていたので、300近い案が出たのではなかったかと思います。 このコンペで選ばれて建てられたのが、写真の建物なのです。 当時、私達も5人でチームを作り、(珍しく)かなり気合を入れて案を提出しました。 (一般公募のコンペで手頃な規模だったので、若手にも手が出しやすかったのです。) 残念ながら選ばれませんでしたが、会社の仕事が終ってから、みんなで夜中まで楽しくやっていたのを思い出しました。 設計を始める前に現地の調査に行きましたが、宮の坂に来たのはその時以来です。 出来たものを見るのは初めてでしたが、古びてきているせいか、天気が悪かったせいか、何となく物悲しい感じがしました。 コンクリート打放しと金属の組み合わせの外観は、古びた感じが味になる建物とは違うので、メンテナンスや清掃が大切だと痛感しました。 せっかく来たので、中も歩き回ってみました。 居られる方々は親切そうでしたが・・・。 ところで、この建物は路線から電車をレールで引き込めるところがポイントで選ばれた案だったと思うのですが、上の写真のように、電車は単に展示されているだけでした。 (今さらですが)ちょっと話が違うような・・・。 このように、コンペで選ばれても、実施設計の段階での悲しいマイナーチェンジは付き物のようです。 近くに豪徳寺という招き猫で有名なお寺があり、招き猫のおもちゃを設計チームのみんなで買ったことなども思い出しました。 ご利益が無かったので、どこかにいっちゃいましたが。 KS |