![]() 「久しぶりにDVDを借りてきて映画を観ました。 だけど『亀は意外と速く泳ぐ』、なにこれ。」 「一言で言えば、三木聡監督の主婦スパイ映画だね。 なかなか良くできているんじゃないかな。」 「タイトルも変だし、内容も変だし、出てくる人もみんな変だし、まったくのダメ映画ね。 主婦の映画ともスパイ映画とも言えないでしょ。 お金損した。」 「いやいや。 脱力系の笑いだ、なんて言われているけれど、結構製作側は気合が入っているよ。 こういうのを作るのって、しょぼい日常に対するちんまりした観察眼が継続的に必要だと思う。」 「なに言っちゃってんのよ。 それって褒めてんの。 これは単なるおバカ映画よ。 そういえば前も似た感じのを観たような。 デジャヴかな。」 「違う違う。 『インスタント沼』だよ。 あの時も観ながら死んでたようだけれど、同じ監督だよ。」 「あれも最悪ね。 こんども映画の途中で寝ちゃったけれど、起きた時もまだ同じことをやってた。」 「一貫性のある映画ってことかな。 『インスタント沼』の方が後の作品で笑いがこなれていたけどね。 ところで、今回の映画の中で僕が一番感心したのは、スパイ募集のポスターだよ。 それを見て主人公がスパイになるんだけれど、是非このポスターのセンスに感動してほしいな。 映画史上最高のポスターだ。」 「あなたもかなりバカみたい。 ところで上○はまったくの大○役者ね。」 「確かに・・・。 その点では意見が合うね。 この映画の弱点かな。 あと、良く見るとみんな意外とヘンテコなデザインの家に住んでいるんだよ。」 「建築家的見方ね。 それもひどいセンスのインテリアでしょ。 わざとなんだろうけれど。」 「このように内容、台詞から背景、小道具まで手の込んだ映画です。 少なくなった正月休みにピッタリの映画と言えるでしょう。 ご覧ください。」 |