![]() 古長谷稔著「放射能で首都圏消滅」、お読みになりましたか? 何とも激しいタイトルのようで、内容はあたかも今回のニュースを見ながら書いたようにです。 けれども2006年の本です。 いや、正直言って驚きました。 この人は静岡県で生まれ育って、浜岡原発に非常に疑問と危機感を持っているので、この本を書いたそうなのですが、ここに書いてあることは、今まさに福島で起こっていることと同じだからです。 静岡の浜岡原発のことが書かれているのに、福島第一原発で起きていることと同じということは、いったん大地震が起きれば、日本各地で同じことが起きる可能性があるということです。 もし私が、2006年にこの本を読んでも、多分ピンと来なかったと思うし、「そんな大げさな・・・」と思ったことでしょう。原発に反対する人が原発震災を大げさに予測し、みんなを怖がらせているのかも・・・、と考えたかもしれません。 でも、今となっては、あまりにリアリティーのある予測に戦慄を覚えます。 東海地震の発生→電源停止、老朽化した配管の破断→原子炉のメルトダウン→格納容器爆発→6時間ほどで首都圏に大量の放射能が押し寄せる・・・ その時、どうすれば良いか、それに備えて普段から何を準備しておけば良いか? それを読んで、準備を進めるということも必要でしょう。 しかし、それより何より、今ここで考えなくちゃいけないことは、こんな地震国にほんとうに原発が必要か?ということではないでしょうか。 とりわけ浜岡原発は、世界中で430機を越える原発のうち、プレート境界地震の震源域に位置するただひとつの原発なのだそうです。 なんで?どうして?そんなところにわざわざ原発を作ったのか? これは、著者でなくても、だれもが抱くごく当たり前の疑問なのではありませんか? 今まで、原発に関して特に真剣に考えたことはあまりありませんでした。 けれども、最近、色々な人と話をし、自分でも調べてみると、原発に関して不可思議なことが多くあります。 何故、無理をしてでも可動させよう、増やそう、無くさせまいとする力が働くのでしょう。 本当に原発が無いと電力が足らないのでしょうか。 人間の力が及ばない巨大で危険な力に対する謙虚さは必要ないのでしょうか。 また、風評被害と原発の本質とは別の次元で考えなければならないと思うのですが。 皆さんはどのようにお考えでしょうか。 SS |