
「『グローリー』って映画は力作の割に知名度が低いような気がする。」
「私もテレビで見るまで知らなかったわ。
主人公はどこかで見たことのある顔ね。」
「マシュー・ブロデリックだよ。『ウォー・ゲーム』じゃない。
確か、彼は高校生のハッカー役で、アメリカ軍のコンピューターにアクセスして核戦争を起こしそうになる話だったと思う。
ウィンドウズ以前の話だったような。」
「あの映画も結構面白かったわね。」
「こちらは、他にデンゼル・ワシントンも出ていて、この映画でアカデミー助演男優賞を受賞したらしいよ。」
「内容は感動の大作ね。」
「時は南北戦争中で、マシュー・ブロデリック扮する北軍大佐が、初の黒人部隊を結成して、最後にフォート・ワグナーの激戦を戦うまでの史実だよ。」
「もう映画の全貌が何となく想像できちゃうかもしれないけれど、映画自体は淡々していて、それがかえって心を揺さぶるっていう感じね。」
「主人公の大佐も最初は何だか頼り無い感じで、黒人に対してもどう対処すれば良いのかフラフラしているようで、それがリアルな印象を与えるんじゃないかな。
後半はすごいことになっていくけど。」
「黒人兵達が自己を確立していく過程の話でもあるけれど、現在に繋がるアメリカ社会の暗部もえぐりだしているわね。
いつも思うけれど、自分達にとっていやなことも堂々と映画に描くところがアメリカ映画の良いところかしらね。」
「音楽もとても良いよ。
映像は何回も観ると飽きるから、サウンドトラックのCDを買ってもいいね。」