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Aハイツ BEFORE AFTER 1
改修後自由が丘の賃貸マンション1

改修前20100108124647a78-.jpg

TI邸の工事について長らくお知らせしてきましたが、同じ時期にこのようなものも設計していました。
写真を見て、同じ値段ならどちらの部屋をを借りたくなるでしょうか?
2枚の写真は、ほぼ同じアングルの改修前後です。

これは自由が丘駅から徒歩5分のところにある賃貸マンション(Aハイツ)で、元の間取りは2DKでした。
1住戸の床面積が36㎡(約11坪)なので、シングルや夫婦2人の住宅に向いていました。
けれども、水廻りの老朽感、脱衣室が無いこと、DKが北側で暗い2DKという間取りの居住性の悪さなどから、借手がつかなくなってしまったのです。
自由が丘というお洒落なイメージの立地にデザインがそぐわなくなってしまった、という面もありました。
困った大家さんから、魅力的な賃貸マンションにできないか、という相談を受けたのです。

今回は、今空いている3住戸の内装の改修でした。
そこで、こちらから提案したのは次のような内容でした。
①床面積から、1人か2人住まいになる可能性が高いので、2DKを1LDKに間取り変更する。
(狭いDKと個室が2つがあるよりも、広いLDKと個室1つがあった方が良いと考えました。)
②LDKと寝室との間仕切を曇りガラスの開閉スクリーンとし、日光が住戸中に廻るようにする。
(写真を見比べていただければ、その効果は一目瞭然です。)
③洗面脱衣室を設ける。
(スペースに限りがあるので、今回は洗面脱衣室+便所としました。それでも脱衣室が無いのとは雲泥の差です。)
④浴室はユニットバスとする。
(掃除も楽で、改修も比較的簡単なので、漏水等のことも考えれば、集合住宅はユニットバスが無難でしょう。)
⑤照明は、ライティング・ダクトに照明器具を吊るすタイプする。
(自由に照明器具の位置や向きを変えたり、個数を増減できます。ライフ・スタイルに柔軟に対応する為です。)
⑥スモール・オフィスとしても使用できる空間とする。
(場所柄、敢えて住宅に拘らなくても良いと考えました。)

さて、賃貸住宅を探している時は、幾つかの物件を見比べるのが通常です。
その場合、間取り・立地・環境・家賃なども重要ですが、心に残るシーンやアイディアがあると、候補として高得点を得られると思います。
過去に、私が部屋を探している時もそうでした。
今回のように明るく開放的でモダンな空間でも良いですし、洒落た床材、使いやすそうなキッチン、魅力的な洗面台などでも良いと思います。
大切なことは、他にはあまり無い魅力を備えていることではないでしょうか。
今回のマンションは、建物の躯体はしっかりとしているので、今後、残りの住戸や外装を改修すれば、建築としても価値の高いものに生まれ変わるのではないかと思っています。

KS

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[2010/01/12 13:29] | Aハイツ(集合住宅) | page top
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