改修後
![]() 改修前 ![]() TI邸の工事について長らくお知らせしてきましたが、同じ時期にこのようなものも設計していました。 写真を見て、同じ値段ならどちらの部屋をを借りたくなるでしょうか? 2枚の写真は、ほぼ同じアングルの改修前後です。 これは自由が丘駅から徒歩5分のところにある賃貸マンション(Aハイツ)で、元の間取りは2DKでした。 1住戸の床面積が36㎡(約11坪)なので、シングルや夫婦2人の住宅に向いていました。 けれども、水廻りの老朽感、脱衣室が無いこと、DKが北側で暗い2DKという間取りの居住性の悪さなどから、借手がつかなくなってしまったのです。 自由が丘というお洒落なイメージの立地にデザインがそぐわなくなってしまった、という面もありました。 困った大家さんから、魅力的な賃貸マンションにできないか、という相談を受けたのです。 今回は、今空いている3住戸の内装の改修でした。 そこで、こちらから提案したのは次のような内容でした。 ①床面積から、1人か2人住まいになる可能性が高いので、2DKを1LDKに間取り変更する。 (狭いDKと個室が2つがあるよりも、広いLDKと個室1つがあった方が良いと考えました。) ②LDKと寝室との間仕切を曇りガラスの開閉スクリーンとし、日光が住戸中に廻るようにする。 (写真を見比べていただければ、その効果は一目瞭然です。) ③洗面脱衣室を設ける。 (スペースに限りがあるので、今回は洗面脱衣室+便所としました。それでも脱衣室が無いのとは雲泥の差です。) ④浴室はユニットバスとする。 (掃除も楽で、改修も比較的簡単なので、漏水等のことも考えれば、集合住宅はユニットバスが無難でしょう。) ⑤照明は、ライティング・ダクトに照明器具を吊るすタイプする。 (自由に照明器具の位置や向きを変えたり、個数を増減できます。ライフ・スタイルに柔軟に対応する為です。) ⑥スモール・オフィスとしても使用できる空間とする。 (場所柄、敢えて住宅に拘らなくても良いと考えました。) さて、賃貸住宅を探している時は、幾つかの物件を見比べるのが通常です。 その場合、間取り・立地・環境・家賃なども重要ですが、心に残るシーンやアイディアがあると、候補として高得点を得られると思います。 過去に、私が部屋を探している時もそうでした。 今回のように明るく開放的でモダンな空間でも良いですし、洒落た床材、使いやすそうなキッチン、魅力的な洗面台などでも良いと思います。 大切なことは、他にはあまり無い魅力を備えていることではないでしょうか。 今回のマンションは、建物の躯体はしっかりとしているので、今後、残りの住戸や外装を改修すれば、建築としても価値の高いものに生まれ変わるのではないかと思っています。 KS |
![]() ![]() 今年の1月にちょこっとアップした賃貸マンション(Aハイツ)の改修をこれから詳しくご紹介いたします。 改修をしてすぐに部屋は埋まりました。 賃貸の形式としては、元が2DKで改修後が1LDKです。 自由が丘駅からすぐ、ということで、年齢に関係なくシングルか夫婦を想定し、シンプルな空間で都市生活を楽しめる構成としています。 前回は玄関からの様子をご紹介しましたが、今回はその見返りの写真です。 上が改修前、下が改修後です。 間仕切のパーテーションを開くとひとつながりの広い空間になります。 普段はパーテーションを開いて使用し、来客時や就寝時に閉じる、という使い方が良いのではないでしょうか。 パーテーションを閉めていても、戸板や襖ではないので、明るく、閉塞感がありません。 照明器具は、配線ダクトにスポットライトを取り付けています。 写真では等間隔に配置していますが、家具レイアウトなどに合わせて位置や向きを変えることができます。 また、配線ダクトに合う機種のものであれば、自分で照明器具をワンタッチで取り付けられます。 省エネ的な配慮で、蛍光灯のスポットライトにしています。 蛍光灯でも、色温度の低い「電球色」を使えば、電球のような暖かい雰囲気になります。 皆さんも蛍光灯が切れて交換する時、「電球色」を購入されてはいかがでしょうか。 特殊なもの以外は電球色が製品として用意されています。 KS |
![]() ![]() Aハイツ改修の続きです。 今回、3住戸を改修したので、一室のみ色彩を変えてみました。 基本的には白とグレーの濃淡で構成していますが、この部屋のみ淡い黄色を床と壁の一部に入れてみました。 日照的に不利な部屋だったことから、より明るい雰囲気にしてみたのです。 ちょっとしたことでも部屋の印象が変わるのがお分かりでしょうか。 ところで、賃貸住宅の床は悩みが多い部分です。 フローリングが流行って、賃貸にも多く使われていますが、傷が付きやすい欠点もあります。 傷や汚れは、貸す方も借りる方も神経質になりますね。 今回は、床に塩ビタイルを使用しています。 塩ビタイルなど安物だ、と思われるかもしれませんが、空間デザインによってはシンプルでクールな雰囲気も出せるのです。 安く、汚れも落としやすく、傷も付きにくく、考えようによっては良い材料です。 また、人工的な綺麗な色の製品も多いので、材質感を無くしたポップな空間作りにも向いています。 但し、多くの色・柄が販売されているので、センスも問われます。 個人的には、石や木に似せたような柄は嫌いです。 人工的な材料を使用する場合は、自然素材ではできない色・柄を追求した方が良いように思います。 石や木の柄を使いたければ、本物を使いましょう。 KS |
![]() ![]() Aハイツ改修の寝室部分です。 前に書いた通り、LDK部分とは半透明のスクリーンウォールで間仕切られています。 閉めた状態が下の写真です。 6畳程度の部屋ですが、閉塞感や狭さが感じられなくなりました。 収納も引違い扉の押入(写真上)から、折戸の収納(写真下)に変更しました。 折戸にすると、扉を開いて中を全面見ることができるので便利です。 (引違い扉だと、半分ずつしか見ることができません。) 押入の奥行も既存では(多分布団をしまう為に)80cmぐらいありましたが、ベッドでの生活を想定しているので、60cmにしました。 60cmは服をしまうのにもちょうど良い深さです。 スモールオフィスとして使用する場合にも、スタッフや打ち合わせのスペースと区分けしたこのようなエリアがあると便利だと思います。 ソーホー的なオフィスにしても格好良いのではないでしょうか。 KS |