![]() ![]() MO邸の玄関の続きです。 若干角度が違いますが、上の写真が改修前で、下が改修後です。 何故暗かった玄関が明るくなったか。 それは、隣の寝室(下の写真左)、隣の居間(下の写真右)との間仕切を曇りガラスにしたからです。 間接的に光を取り込もうとしても効率が悪いと思われるかもしれませんが、上手く計画すればかなりの効果があるのです。 それは写真の通りです。 また、元の家では、玄関から入るとキッチンまで見通せてしまい、奥様の大きなストレスとなっていました。 (上の写真の奥に見えるのはキッチンです。) それを防ぐ為にも曇りガラスのスクリーンは大きな意味を持っています。 曇りガラスにすると、奥が見えなくても、空間的な広がりを感じることもできます。 一般的に、玄関を入ると暗い廊下が続いている、というケースは多いですよね。 それも一挙に解決できた訳です。 寝室はプライバシーの確保も必要なので、間仕切のガラス・スクリーンにはロールスクリーンを降ろせるようになっています。 ところで、改修後の写真になんで柱が2本立っているのでしょうか? また、床のフローリングはなんで色違いになっているのでしょうか? 次回説明いたします。 KS |
![]() ![]() MO邸改修の紹介の続きです。 写真は今回も上が改修前、下が改修後です。 若干違いますが、同方向を見た写真です。 今回は、玄関からLDK入口の解説です。 前回、玄関の柱の存在理由と床フローリングの色違いについて説明をしませんでしたが、実はこのようなことになっているのです。 玄関からLDKに続くアプローチの一部分のみ薄い色のフローリングになっています。 これは家の中に真直ぐに軸が通っていることを現しています。 柱が列柱のように両側に並び、その間のフローリングが薄い色で強調されている様子は、奥へ誘う路のようです。 そして、路は最後にはカウンターに変容していきます。 既存写真(上の写真)からどう変わったのか理解するのは難しいかもしれません。 これは、間仕切も変更しているためで、既存の柱を残すために、列柱案を考えました。 改修では、「しょうがなくてこうなった」というようなことが多々あるのですが、そのような負の遺産を「敢えてこうやった」というように転換させることが重要です。 そうでなければ、リフォームをしても言い訳だらけのデザインになってしまうからです。 今回は、不要な柱が残っても、それらに新たな意味付けをして空間を再生しました。 ところで、「リモデルスマイル作品コンテスト2009」の入選作品のサイトができています。 MO邸はこちらからどうぞ。 SS |
![]() ![]() MO邸改修の紹介の続きです。 LDKに入る前に、玄関横の寝室に入ってみましょう。 上の写真が改修前で、応接間でした。 下の写真は改修後で、寝室です。 写真のアングルは90°程異なっています。 (改修前の左の窓が、改修後の右の窓に相当しています。) 今の住宅では、建築主のライフスタイルにもよりますが、応接間を設けることは少なくなりました。 それよりもLDKを広くした方が良い、という場合が多いです。 今回もそのケースにあたります。 また、寝室も、プラン上無理が無ければ、北側ではなく明るい南側に配置すると良いと思います。 今回も、南と東に大きな窓があり、とても爽やかな寝室になりました。 改修後の写真で、奥に見えるのは玄関です。 寝室と玄関との境を、壁ではなく曇りガラスのガラススクリーンにしたので、北側の玄関まで明るくなったのです。 以前説明したとおり、就寝時にはガラススクリーンにロールスクリーンを降ろせます。 玄関横に寝室があるのはどうかな、と思われる方もあるかもしれませんが、夫婦2人の住宅であれば特に問題は無く、大人数の来客時には、荷物やコートなどを預かっておくクローク代わりにもなるので便利です。 応接間の時は掃き出しのサッシでしたが、腰窓に変更しました。 寝室としてはこの方が落ち着くと考えたのです。 今回の改修では、1階のサッシはほぼ入れ替えてペアガラスにしています。 寝室はシャッター付サッシにしました。 シャッターには小さな穴がたくさん空いているタイプのものを使用しました。 こうすれば、夏には、シャッターを閉めていても窓を開けておけば通風が可能になります。 1階に寝室がある場合、夏の夜間の換気の方法にも配慮が必要です。 但し、窓が2箇所以上無いと充分な通風はできません。 KS |
![]() ![]() MO邸の6回目です。 今回は改修のメインのLDKです。 写真上が、改修前の6畳の和室2室で、居間と食堂に使っていました。 写真下が、改修後の同じアングルのLDKです。 子供が巣立ったご夫婦2人の新たな生活の為の改修が主目的でしたので、その為のプランの再構成・減築がこのLDKに集約されています。 以前にも書きましたが、このLDKの吹抜部分は、元は子供部屋でした。しかし、改修前は納戸状態で、活用されていませんでした。その上、多くの2階建の家がそうであるように、この家も1階と2階は別々に分かれており、上に上がれば下の階のことはわからず、下にいれば上で物音がすると、びくっとしたり・・、そんな感じでした。 そこで、不要になった子供部屋をなくして吹抜としたのですが、これによって2階の窓から直接LDKへ光が降りそそぎ、格段に明るくなりました。が、その効果はこれだけに留まりません。 2階のご主人の書斎からLDKが見下ろせるようになり、奥様が1階にいても、なんとなく家全体のことがわかるようになりました。また、もとの2階の床を支えていた梁や柱はそのまま残し、その梁の側面にライティングレールを組み込んだので、スポットライト照明に活用しています。デザイン的にもジャングルジムのように組まれたこれらの架構が面白い効果を生んでいます。 こうなると、2人では上手く使えなかった部屋数の多い家が、「我が家」として再機能し始めました。 不意の来客時にも、お子さん達の家族が泊まりに来たときも、充分に対応できる広さと使いやすさ、それがこのLDKです。 SS |
![]() ![]() 今回はMO邸改修のキッチン廻りです。 上の写真が改修前、下の写真が改修後で、ほぼ同じアングルです。 改修前は、キッチンはひとつの部屋でした。 通常のキッチンと比べると広いのですが、北側に面していて寒くて暗く、廊下との境の扉を開くと玄関から丸見えでした。 また、食事をする和室への通過動線にもなってしまっていました。キッチンを通らないことには、和室へ行きにくいので、お客さんもここを通ることになり、来客が多い家なので、施主夫人には結構ストレスになっていました。 その上、シンクとレンジは北側の壁に付いているため、料理を作るのは孤独な仕事だったそうです。和室で、みんなが談笑していても、自分だけは一番寒い場所で孤軍奮闘という感じで、なんとなく寂しい感じだったそうです。 この対面型キッチンにすることによって、いつも陽が当たる明るい庭を見ながらお料理できるようになった、と喜んでおられます。 シンクの向こう側には手元を隠すディッシュアップカウンターを設置しており、キッチンの手元がLDKから見えないようになっています。さらに、不意の来客時には天井付けのロールスクリーンが降りて、全てを隠してくれます。 LDKから見ると、向こう側にキッチンがあるとは気付かないようになります。 こういうことも工夫のひとつです。 SS |