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建築解体新所
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暫く前になりますが、近所で住宅の解体をしていました。
構造的には珍しいコンクリートブロック造だとず~っと思っていた住宅です。
建築は左右対称の2階建てで、両側に同じように玄関があるので、2世帯住宅か住宅+事務所だったのでしょう。
北側の道路側から見ると北・東・西面に窓がほとんど無く閉鎖的で、南側がどんなか見てみたいものだとも思っていました。
そして全貌が解体の時に分かった次第です。
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まず、コンクリートブロック造かと思っていたのは全くの間違いでした。
鉄筋コンクリート造で、外壁仕上にあたかもコンクリートブロックのような薄いセメント板のようなものを貼り付けていたのです。
敢えて安っぽいコンクリートブロックに見せるって・・・?
また、窓が無いと思っていましたが、南側は外壁の延長に囲まれた中庭のようになっていて、数は少なくハメ殺しですが窓がある事が分かりました。
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この住宅はまだまだ建築の寿命は来ていないように思いましたし、この界隈では十指に入るデザイン(?)だと思っていたのですが・・・外観の印象通り住みにくかったのでしょうか。
解体現場をざっと見ただけですが、普通に暮らすには採光と自然換気と断熱が足りなそうだと思いました。
それともスタジオみたいな特殊な用途に使っていたのでしょうか。
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とまあ、新たな発見もあったのですが・・・
今回一番惹かれたのは、壊しかけの建築の廃墟感です。
僕は、建築の醍醐味は竣工後よりも建設途中と解体途中にあると感じています。
この建物も小さいながら解体現場を見ると、写真のような迫力がありました。
(但し解体される建物にもよるので、汚いだけの解体現場もありますね。)

そういう事を言っておきながら何なのですが、日本では中古の建築自体にあまり商品価値が置かれていないので、すぐ壊しちゃいますよね。
建物の改修も増えてきましたがまだまだです。
建築の改修には知恵と労力が必要なので、業者は面倒なんでしょう。
地球がまずい事になっているのに、相変わらずこんな事を続けていて、資源の無い日本は大丈夫なのかな。

そのようにエコの観点は最重要ですが、今回のような作品性の高い建築は次元の違う意味でも壊して欲しくなかった、と思うのです。
そして、それなら建築家も独善的ではなくて、住みやすくて自由度(後のプラン変更等)の高い家を作らんかい、なんですけどね。

KS

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[2022/05/25 10:36] | 建築 2 | page top
すみだ北斎美術館
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両国のすみだ北斎美術館に行ったのですが、今回は北斎ではなく器の建築に関してです。
(因みに写真の印象よりかなり小さな建物です。)

行く前から予想してはいましたが、ワクワク感や驚きのない退屈な美術館でした。
なぜなのでしょう?

業務用冷蔵庫を並べて捨ててあるような外観ですが、ギンギラで無機的な材質感は新宿のSOMPO美術館とお友達。
人によっては「北斎に対する斬新な解釈」などと外した事を言うのかもしれませんが、実際は北斎とは関係なく自分の好きな建築をデザインしただけって感じです。
僕自身風変りなものを好む傾向があるのですが、それでもこれは違うと言えるでしょう。
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特定の作家等の為の美術館や博物館の場合、多くの人はその作家やその頃の歴史を思い描いて見に行くわけです。
そういったイメージに寄り添った建物を設計できないなら、そういう建築家を選ぶべきではなかったのでしょう。
他にも(できた頃漁師が広告看板と間違えた)高知の坂本龍馬記念館、(これまた古い冷蔵庫のような)早稲田の草間彌生美術館などなど、例を挙げればダメダメなものの方が多いのかもしれません。
ここのすぐ近くにある江戸東京博物館なんかは大きいだけにダメ度最大級の親分です。
江戸東京博物館
案外巷のお化け屋敷や古くは秘宝館なんかの方がイメージを裏切らなかったりするんでしょうね。(HINIKU)

さて、すみだ北斎美術館ですが、立体の狭間の部分を通り抜けたり、出入したり、陽の光を取り入れたりしています。
それも無理槍っぽいのですが、本筋から外れたこの部分、特に1階外部通路が迷路っぽかったりして少しだけ面白い場所になっています。
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ですが、ロードコーンや注意書き看板を沢山並べるというセンスの無い運営で、それも悲しい事になっていました。
できるだけそういうものが写らないアングルを選んだのですが、それでもこんな感じ。
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KS

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[2022/08/16 13:21] | 建築 2 | page top
神奈川県立歴史博物館
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馬車道にある神奈川県立歴史博物館に行ってみました。

なぜ行ったかというと、たまたま前を通ったというのもあるのですが、1904年に銀行として建てられた歴史的建造物の中はどのように活用されているのか見てみたかったからです。
早速中に入ろうとしたら、古い建物の立派な正面玄関(最初の写真)は閉鎖されていました。
「変だな~?」と思いながら裏側に回ってみると、ぬるっとしたデザインで増築されていて新たな入口があるではないですか。
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でも、僕は古い建物が有効利用されているところが見たかったのでこれにはがっかり、悪い予感がしました。
表と裏に入口があるので、まるで妖怪二口女(ふたくちおんな)みたいです。
新しい入口は二口女の頭の口の方ね。
二口女-
という事で、新しい玄関から入ると何てことはない、内装は新しい普通の仕様になっていました。
所々に古い意匠も残されてはいましたが、仕方なく残っている感じで全くそれを活かせていません。
写真を撮りる気もしませんでした。

折角行ったので展示も見ることにしました。
お金がもったいないので安い常設展だけにしました。
展示品自体はボリュームがあり、内容も充実しているように思いました。
地味な展示ではありますが、見る価値はあるかもしれません。

その中で気になったのは古墳の模型の上の装飾。
埴輪や土器は本当にこんな風に飾っていたのか?
知りませんでした。
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さて、この博物館の元々の建物の魅力を引き出せなかったのは、改修設計をした建築家の力量不足でしょうか。
展示ケースの見にくさや照明計画の悪さも気になりました。
惜しい限りです。

ところで、この博物館の近くに、これまた古い建物の外観皮一枚を残して高いビルに直した建築がありました。
これも保存の為に時々取られる手法ですが、「苦し紛れ感」が見え見えで、良いのか悪いのか?
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KS

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[2022/10/01 11:22] | 建築 2 | page top
中川船番所
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江東区の東大島にある中川船番所資料館に行ってみました。

船番所というのは川の関所で、ここから江戸に出入りする船は必ず中川船番所で検査を受ける事になっていたそうです。
色々調べてその建物のあった場所が特定でき、発掘をしたら礎石や柱が出てきたそうです。
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その跡地の近くにあるのが中川船番所資料館です。
2階に上がると船番所の実物大ジオラマがありました。
これの写真をサイトで見て面白そうだと思ったのですが、実際はイマイチ。
何か狭い所に押し込められたような感じがして・・・。
(写真写りはまあまあですね。)
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こんなものを建物の中に作るぐらいなら、船番所のあった川辺に本物を再現して欲しかったと思いました。
そうであれば、こんな内外装共に何のイメージも湧かない退屈な資料館なんて不要でしょう。

さて、この階はジオラマ以外、これと言って見るべきものはありませんでした。
まあ、船番所の資料館なんて見せる程の物もないのかもしれませんが。

3階に上がると、何と昭和の暮らしの古道具が並んでいるではないですか。
これって全く関係ないですよね。
どうしちゃったのかな。
次の写真は「中川さんの家」らしいですが、中川さんって誰?
展示を見ていると唐突にテレビが始まって驚きました。
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また、企画展示もやっているようでしたが、フロアを2周してどれが企画展示なのかがやっと分かったようなショボいものでした。
という事で、残念ながら遠路はるばる行った甲斐はありませんでした。
この辺りって巨大なアパートだらけで下町の風情もへったくれも無いので、ソッコーで帰りました。

KS

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[2022/10/11 14:18] | 建築 2 | page top
都市デザインとまちづくり
都市デザインとまちづくり
「都市デザインとまちづくり」というDVDがあります。
サブタイトルは「街の魅力を創る横浜の実践」という事で、「独自の体制で取り組み、実践してきた横浜市のアーバン・デザインの軌跡と今後」に関する記録です。

「1960年代から始まった横浜都市計画。
横浜市都市整備局都市デザイン室を中心に行われたさまざまな先進的な都市づくりの実践を、貴重な歴史的資料と記録映像、開発当初から携わった田村明氏をはじめ、関係者へのインタビューなどを交えて紹介。
市民と自治体の協働による都市計画、調整とは何かを考える。」
・・・とクソ堅苦しい説明が付いていますが、DVD自体は誰にでも分かる興味深い内容でした。

このDVDは2011年発売ですが、以前見ていまいち内容が分かりにくかった展覧会「都市デザイン横浜展」を補完する映像と言えるかもしれません。
と言うか、DVDを見れば全てが分かってしまいます。

これを見てまず思った事は、「横浜の魅力的な街並は自然に形成された訳ではないのだな~」という事でしょう。
市の都市デザイン室が、早いうちに先見性と洞察力のある方針を打ち出して行動に出ていなければ、国や心無い業者によって横浜は日本の外の都市のように小汚い退屈で無個性な街になっていた可能性が高かったという事です。

そしてその中でも特筆すべきは、古い建築などの保存の方法です。
新しく作ったものはやり直しがききますが、古い建造物を一度解体したら二度と元には戻りません。
横浜市では、単に腫れ物に触るようにただただ保存するのではなく、現役として活用できるようにしているのです。
それであれば市民や企業の理解も得やすいし、保存されたものも街並みに貢献して生き続けます。
古い建造物を移築したり手を加えたりもしていますが、共存していく為なら限度はありますが問題ないでしょう。

都市計画というのは他人事ではなく身近な問題であり、住民各々が高い意識で参加していかなければ街並は良くなりません。
横浜は日本ではかなり頑張ってきた方だと思いますが、それでもヨーロッパの都市に比べると足元にも及ばない事も事実でしょう。
これからも継続的な努力が必要なのです。

機会があればこのDVDを多くの方々に見ていただきたいと思います。
けれど、このDVDを手に取って購入する一般の方は稀だと思うので、NHK等で是非とも放映してほしいものです。

KS

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[2022/10/17 08:09] | 建築 2 | page top
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