今回からガイア・アソシエイツで設計したIZ邸を紹介します。
IZ邸の敷地は、起伏の多い住宅地の高台に位置します。 ハウスメーカーの退屈な住宅が建っていたのを解体し、新たに鉄筋コンクリート造の戸建住宅に建て替えました。 これから暫く、計画から工事、完成までをご覧いただきたいと思います。 この住宅は夫婦とその母親の3人が暮らす専用住宅です。 建物の耐久性、居住性、将来的な間仕切変更の容易さなどからラーメン構造(柱梁構造)の鉄筋コンクリート造にしました。 また、ラーメン構造であれば開口部の制約も比較的少ないので、窓を十分に取る事ができます。 さて敷地ですが、バス通りから直角に急勾配の細い坂道を上っていった所にあります。 そこからの見晴らしは素晴らしく、敷地も広いのですが、何と4mの落差のある崖(擁壁)で2分されています。 そこで、最初は次の模型のように敷地の高低に沿った建物にしようか、という案を考えました。 建物内外に高低の変化が生まれ、面白そうですよね。 ![]() 別案として、高い方の敷地だけで十分な面積を取れるので、低い方の敷地へはエレベーターや屋外階段で下りるようにしようか、という案も浮上しました。(次の模型写真) ![]() けれども、擁壁をまたぐ構造や法規の問題、高低の敷地を繋ぐ建物が本当に必要か、等々を検討していった結果、次の模型写真のように高い側の敷地で完結する住宅となりました。 そして高齢者もいることからエレベーター付2階建てとしましたが、建築面積が広くなって建物中心部が暗くなることからロの字型のコートハウスにすることにしました。 ![]() 続く。 KS |
![]() ガイア・アソシエイツで設計したIZ邸の紹介の続きです。 実はこの建物、計画しているプラン(平面図)が昔懐かしい「まるばつ」ゲームに似ている事に気が付きました。 つまりプランの基本形が、正方形を9分割したようになっていて、中心の正方形が中庭なのです。 ![]() その9つ合わさった大きな正方形に外接円を描く事ができます。 その外接円と正方形との弓型の隙間をバルコニーや庇にしてみました。 次の内観模型を見ると何となく理解できるのではないでしょうか。 ![]() 彩色した模型が次の写真です。 (ガイア・アソシエイツの設計では、ボリュームを考える段階から色彩もイメージしていきます。) 四角い中庭を取り囲むロの字型の建築、そしてそれを取り囲む弓型のバルコニー、という構成がよく分かると思います。 ![]() 次は2階部分のパース(完成予想図)です。 北側に並ぶ水回り諸室以外は中庭を取り込むように広~いLDKとなっています。 ![]() 実は、2階天井は梁が出るので、まるばつゲームの井型の形状がそのまま天井に現れる感じでした。 折角なので、(天井底のデザインや照明器具や天井扇などで)〇や×も表現できるかな、と思いました。 天井を見上げればまるばつゲームのようになっていると面白そうだと考えたのです。 残念ながら、建築は色々な制約があるので思ったようにはなりませんでしたが・・・・・・・・・・・・。 次回からは工事の模様を紹介します。 KS |
ガイア・アソシエイツで設計したIZ邸の紹介の続きです。
今回からは工事の様子を紹介します。 初回のブログに書いたように、敷地は起伏の多い住宅地なので、整地もなかなか大変そうでした。 前面道路が急勾配なので、重機を敷地に入れるのも一苦労ですし、敷地内も段差があります。 写真手前は前面道路のガードレールなのですが、このように道路は敷地よりも高くドンドン上がっていきます。 ![]() 今回は鉄筋コンクリート造で建物の重量も重いので、しっかりとした杭が必要になりました。 また、既存の擁壁の基礎に杭が当たると大変なので、事前の地中調査や杭打設にも細心の注意を払いました。 ![]() 今回採用したのは場所打ち杭で、簡単に言えば、穴をあけてそこに写真のような鉄筋を入れてコンクリートを打つ、というものです。 一般的にイメージするような、杭を立ててガンガン打ち込むのとは違います。 ![]() 次の写真は工事が進んで基礎のコンクリートを打設した状況です。 プランは井型なのですが、柱の配置はロ型になっていて、少しトリッキーな構造設計になっています。 (意味が分かるでしょうか?) ![]() 次の写真は工事がもっと進んで、2階の型枠を作っているところです。 近所の人は、現場を道路から見下ろせるので面白かったんじゃないかと思います。 が・・・建物が四角かったり、暫くすると丸くなったりと、キツネにつままれた感じがしたかもしれません。 ![]() 続く。 KS |
ガイア・アソシエイツで設計したIZ邸の紹介の続きです。
建物が2階まで立ち上がってくると、さすがに(敷地より高い)道路からも見渡す事はできなくなりました。 ![]() 4m低い側の敷地から見上げるとこんな。 2階建てでも、低い所から見るとそそり立って見えますね。(当たり前か。) ![]() 次の写真は屋上までコンクリートの打設が終わった状態です。 まだ防水は為されていませんが、ここまでくると工事も一安心です。 外国の城のような凹凸は勿論デザインです。 屋上に出ても楽しいよ❕ ![]() 室内に目を向けると、型枠が外されコンクリートの躯体が見えています。 これから室内の工事も始まります。 ![]() 続く。 KS |
ガイア・アソシエイツで設計したIZ邸の紹介の続きです。
鉄筋コンクリートの躯体工事が終わるとひと段落、次のステップに移ります。 設備配管を設置したり、サッシを取り付けたり、断熱材を吹いたり、壁天井の下地を作ったり、などなどなど。 ![]() 居室はガス床暖房にしているので、その工事も行います。 銀色のシートがガス床暖房パネルで、中に温水パイプが入っています。 写真は、その上にガス床暖房対応のフローリングを施工している状況です。 ![]() 一方、外装は何をしているかというと・・・ 屋上は、防水とその上の押えコンクリート打設。 ![]() こう配屋根は、防水と瓦葺き。 屋根とサッシができれば、雨仕舞も一安心ですね。 ![]() バルコニー等は、手摺や庇等の取付。 ![]() 長かった工事も完成が見えてきます。 続く。 KS |