私達の設計事務所、ガイア・アソシエイツ一級建築士事務所のアトリエを改修しました。
その顛末をお伝えします。 プランやデザインについては特に改修をする必要性は無かったのですが、問題は設備的なことでした。 写真ではいまいち分かりづらいかもしれませんが、事務所を建ててから後に設計業務のCAD化(つまりコンピューターによる製図)が進み、床が配線だらけになってしまいました。 (勿論それまでは図面は手描きだったので、このような状況になるとは予想していませんでした。) ![]() それに加え、ガスの配管なども床を這い、危なっかしく、見栄えの問題だけでは無くなりました。 OA化による改修をしているオフィスは多いと思いますが、我がアトリエは何と今頃・・・。 ![]() 写真で見ると何てことないようですが、配線につまずくと電話やPCが落ちそうになるのは問題でした。 配線にモールをかぶせると、それはそれで貧乏臭い・・・。 なかなか床の改修に踏み切れなかったのは、事務所にある大量の書棚やラックです。 床を改修するには書棚を動かさなければならず、その為にはすべての書類や書籍を出さなければなりません。 そもそも配線や配管を何とかするのに何で床を改修しなければならないのじゃ、と思われるかもしれません。 これからぼちぼち説明していきます。 続く。 KS |
私達の設計事務所、ガイア・アソシエイツの改修の続きです。
前回書いた通り、床の改修をするには、アトリエの大量の棚などの移動がネックでした。 この場所に移ってきた時は、引越屋さんに運んでもらう以外はひとりで片づけました。 20坪のアトリエ全体が段ボールの山となり、途方に暮れた覚えがあります。 当時より荷物も格段に増えており、結局は引越屋さんに棚から段ボールに入れてもらい、移動し、改修後に棚に戻してもらうことにしました。 同じ建物に空き部屋があるので、そこに入れることにしました。 けれど運悪く引越シーズンと重なり、どの会社もゲッという見積でがっかりでした。 下の写真は荷物を運び出してもらってガランとしてしまったアトリエです。 ここに引越してきた時を思い出しました。 棚やテーブル、机はアトリエ内を移動させながら工事をしてもらうことになりました。 これもどこかに移すとなると大変なので・・・。 ![]() 空き部屋は、弟の部屋なのですが、下の写真のように物でいっぱいになってしまいました。 ![]() 後日談ですが、事務所改修後、荷物を戻した後におバカな私達はアトリエの整理を始め、不要なものをいっぱい捨てました。 KS |
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アトリエで仕事ができない間、2階にある自宅のLDKで仕事をすることになりました。 2階の自宅は、職住分離するため入口を別にして、部屋内から行き来できないようにしています。 キッチン・ダイニング周りがこんな有様です。 昔と違って製図板がほとんど必要ないので、仕事場のスペースはあまりとらなくなったのですが、事務所からLANを引いてきたり、違った意味でうっとうしいこともありました。 設計には必需品のカタログ類もある程度インターネットでまかなえます。 けれど、製図用のパソコンは大きめの画面が必要なので、パソコンは重く、移動は面倒でした。 ![]() 次の写真は、新しい仕事場を上から見たところです。 実は、気分も変わって案外楽しく過ごすことができました。 ![]() こんなことも容易にできたのは、自宅に物があまり無いからだと思いました。 つまり、自宅ではほぼ「片付け」という行為が必要ないのです。 片付けるとしたら、食器とか洗濯物とか新聞ぐらいです。 「片付け」が不要なところまで物を減らしているからです。 今回は、いつになく物が溢れた状態に戸惑う生活だった、とも言えます。 続く。 KS |
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アトリエでは床工事が始まりました。 フリーアクセスフロアになるので、8cm程度床が上がります。 フリーアクセスフロアと言っても色々あり、納得して選ばないと後で大変なことが分かりました。 今回選んだものは、ショールームで現物を踏み比べ、調べあげたものなので、私達のニーズにはベストな商品です。 (実は自分達の為に設計でこんなに研究したのは初めてです。) 選択のポイントは幾つかあります。 ・後の配線の変更が簡単なこと。 (床パネルがビス止めだったり、パネルが大きく重かったりすると、素人では扱いが大変です。) ・床の高さが余り上がらないこと (床が上がると相対的に天井高が低くなってしまいます。) ・歩いて音や軋みなどが無いこと (各メーカーで色々なので、踏み比べた方が良いです。) 次の写真は床の工事をしているところです。 床だけなら1日で完了しました。 広いオフィスでも人手をかければそのぐらいで終わるのかもしれません。 ![]() 次の写真は床下の詳細です。 グレーのマットの下が既存の床仕上です。 その上に支持脚を置いてパネルをかぶせます。 ![]() 次の写真はアップです。 パネルはスチール製でかなりしっかりとできていますが、16cm角ぐらいなので、扱いが楽です。 ビスなどで固定されていないので、ワンタッチで取り外しできます。 配線はパネル数枚を剥がすだけでは変更できない場合が多いので、パネルの脱着の楽さは重要です。 新しい床と元の床との隙間はこの製品の場合7cmと決まっていますが、床下に事務所にある大きな差込プラグが納まる寸法なので選定しました。 床の高さをある程度自由に調整できるタイプもありますが、うちの場合はその必要はありませんでした。 ![]() パネルの上に仕上材のカーペットタイルを敷きます。 カーペットタイルの裏にはズレ防止の弱い接着剤のようなものがついていますが、それ以外は基本的には元の床の上に置いてあるだけです。 従って、変更や撤去なども簡単なわけです。 写真はカーペットタイルとパネルを剥がして床下に配線を入れようとしているところです。 ![]() オプションでフロアコンセントや配線の出入口なども付けられ、便利にできています。 特に、フロアコンセントは最初に位置を決めていても、家具レイアウトによってうまくいかないことが多いので、これだと良いですね。 続く。 KS |
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今回は出来上がりを見ていただきます。 床と収納の一部を変えただけなので、一見どうっということもないのですが、実際に部屋に入ると床の質感、色が変わったので、かなり印象は異なります。 ![]() 配線は整理されて無くなったか、と言われれば、無くなっていません。 勿論、床下に通したものが多いので整理されましたが、機器同士の配線は残るものが多いし、機器から床下への配線も案外目立ちます。 ということで、効果はマアマアですね。 でも、前回説明したように、今回選定したシステムは床パネルが外しやすいので、早速に役立っています。 配線の変更や調整は案外多いのです。 ![]() それ以外に思わぬメリットがありました。 冬を体験してみると、部屋が暖かくなったのです。 ガイア・アソシエイツのアトリエは1階なので夏は涼しくて良いのですが、冬は寒いのです。 床が少し上がってコンクリートの床との間に空気層ができたこと、材質がタイルカーペットに変わったことが暖かくなった理由だと思います。 これほど効果があるとは思いませんでした。 また、今回の改修前に、エアコンは夏専用にすることにして、ガスFF暖房を入れたことも大きかったと思います。 (FF暖房は、排気ガスを直接外に出す、私が子供の頃からある暖房器です。) やはり電気のエアコン暖房は真冬には非力です。 一時期東京の冬は暖かくなっていましたが、このところまた寒くなっています。 ![]() 話は変わりますが、設計事務所のアトリエでは、設計作業や模型・完成予想図製作などから、建築主やメーカーや施工会社との打ち合わせなども行います。 ところが、ながく設計事務所をやっていると思わぬ来客もあります。 建築関係のメーカーが突然営業に来るのはしょっちゅうなのですが・・・ ワイン業者が試飲会をやりに来たこともあります。 (坊さんみたいな名前の)オーディオメーカーが試聴会をやりに来たこともあります。 (大きな音で聴くと何でも良い音に聞こえることが分かりました。) 不動産業者が突然、賃貸にしている部屋は無いかと聞きに来たこともあります。 刑事が突然、聞き込みに来て、これまた突然雨が降ってきたので暫く雨宿りしていたこともあります。 (刑事ドラマと同じで二人組でした。) 東日本大震災の時は、玄関先に知らない女の人が避難していました。 色々なことがありますね。 続く。 KS |