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P邸 1
今回からガイア・アソシエイツで設計した住宅P邸を紹介します。
雑誌「リフォーム倶楽部」にも掲載された住宅です。

都内の私鉄沿線、駅から数分のところにP邸はあります。
電車の音がうるさいのでは、と思いましたが、何故かほとんど聞こえません。
なんでやねん。
とても不思議です。

今回の計画は、木造2階建て2世帯住宅の減築を伴う改修です。
減築なんていう言葉、最近はちょっと広まっているようですが、要するに家を削って小さくすることです。
変な造語ですね。
子供が独立して夫婦だけになったので部屋が余ってしまったなんていう場合、減築すればコンパクトに暮らすことができます。
掃除も楽になるし、庭も広くなるし、いいことは多いのです。

このお宅は、ご両親がお亡くなりになり、子供も巣立って、今はご夫婦二人の生活です。
玄関を入ると広いホールがあって、グランドピアノが・・・。
そのグランドピアノも小さく見えます。
でも、ここはリビングではありません。
あくまで入口のホール。
IMG_3919.jpg
ホールの南側にはサンルーム。
観葉植物がセンス良く植えられています。
ちょっと置かれている飾り物やオブジェもいい感じです。
建築主のヒネリの入った感性を感じます。
IMG_3915.jpg
改修するメインは、このどちらの部屋でもありません。
2世帯住宅を減築により1世帯住宅にするのです。
2世帯住宅には、当たり前ですが、必要な部屋がダブルであります。
使っていない世帯をどうするかは大きな問題です。
特に水回り(キッチン・浴室・脱衣室・便所)などは、放っておくとトラップの水が枯れてくさい臭いが上がってきます。
電気・水道・ガスなどの契約をどうするかも悩める問題です。
ということで、使われていないスペースを有効利用し、不要な部分は削除して、これらの問題を全ていっぺんに解決することにしました。

続く。

KS

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[2014/03/29 08:10] | P邸(木造戸建住宅) | page top
P邸 2
ガイア・アソシエイツで設計した住宅P邸の続きです。
今回は、減築を外観から視覚的に体験してみましょう。

最初の写真は改修前の状況です。
隣家との距離があまりなかったので、うまく全体の写真を撮ることができませんでした。
2階建ての住宅ですが、親世帯の一部だった1階が飛び出している部分を減築しました。
IMG_4512.jpg
減築後の工事写真です。
この写真はとても分かりやすいのではないでしょうか。
青い部分が撤去した屋根の形です。
天井裏に雨などが入らないようにシートで塞いでいます。
その下の部分は外壁が無くなったので、一時的にスカスカになっています。
今回、筋違い(すじかい)などを入れて構造補強もしていきます。
IMG_4705.jpg
次の写真は改修後です。
上の写真と似たアングルなので比べてください。
新しい外壁には窓を付けました。
元の屋根の痕も目立ちません。
敷地に余裕ができたので、このような写真も撮れるようになりました。
IMG_4810.jpg
木造だと、構造、雨仕舞などをちゃんと考慮すればこのような改修はそれほど難しくありません。
そして、周囲にゆとりができると風通しも良くなり、建物の為にもなります。

次回からはインテリアを見てみましょう。

KS

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[2014/04/10 08:43] | P邸(木造戸建住宅) | page top
P邸 3
ガイア・アソシエイツで設計した住宅P邸の続きです。
今回からはインテリアです。

インテリアと書きましたが、まずは工事写真をご覧ください。
減築部分を内部側から撮ったものです。
木造の改修は比較的簡単だといっても、こんな風になると「こりゃ大変なことになった!」と思われるかもしれません。
でも、見た目ほどではないのですよ。
IMG_4649.jpg
減築部分を解体・撤去した後は、次の写真のように新しい床・壁・天井の下地を作っていきます。
改修工事の場合、新築時の図面にはない思わぬこと(図面と実際とのくい違いなど)もあるので、この段階では設計事務所も現場でよくよくチェックをします。
このお宅でも幾つかありましたが、早い段階で対処すれば出来上がりのダメージが少なくて済みます。
IMG_4730.jpg
次回からは完成したインテリアをご覧いただきます。

KS

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[2014/04/25 15:37] | P邸(木造戸建住宅) | page top
P邸 4
ガイア・アソシエイツで設計した住宅P邸の続きです。
今回はLDKです。

まずは改修前の写真から。
この部屋は、初回にお見せしたホールの奥にあります。
大きな両開き扉を開くとホールとつながります。
元も建築家が設計した家だそうで、よく考えられています。
写真はホールからLDKを撮ったもので、手前がLDゾーン・奥がキッチンゾーンです。
ホールなどが広いのに比べLDが狭く感じられます。
(勿論、普通の家としては十分な広さですが。)
この写真のキッチンの奥が元親世帯です。
この壁をぶち抜きました。
004.jpg
完成形の同じアングルの写真が次です。
写真手前のLDKだった部分を居間に、奥に見えている部分が食堂です。
正面の白いカウンターの中がキッチンです。
0005.jpg
既存はLDKが矩形の1室に納まっていましたが、改修によって、同じ1室ですが空間を絞ったり囲ったりすることで、LとDとKを各々エリア分けしました。
例えば、ボールのような空間も、ひょうたんのような空間にすれば二つのエリアが生まれるわけです。

キッチンに近寄ったアングルが次の写真です。
キッチンは、建築の中の建築(建築内建築)といった感じで囲われています。
ディッシュ・アップ・カウンターが食堂側と居間側の両方にあり、使い勝手も良くなっています。
(二つのカウンターをもつキッチンを設計したのは初めてでした。)
キッチンの内側の様子はまた後日紹介いたします。
一言で言えば、広くなったLDを見渡せるコックピットのようなキッチンです。
0007_2014030316110405b.jpg
次回は、食堂ゾーンを紹介いたします。

KS

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[2014/05/09 06:44] | P邸(木造戸建住宅) | page top
P邸 5
ガイア・アソシエイツで設計した住宅P邸の続きです。

今回撤去した親世帯の既存写真です。
庭の眺められるLDKなのですが、使わずにそのままにしておいたので、水廻りが古くなってしまいました。
使わないのに、ときどきは掃除しないといけないのも、面倒な話です。
それで今回、思い切って水廻り部分を撤去して、その部分の建物もなくしてしまいました。
IMG_3910.jpg
それから、親世帯の水廻り部分以外を、子世帯のLDKに取り込みました。
ごらんのとおりの広さです。
スコーンと奥まで見通せます。
ご自慢のお庭もフルクリーンで見渡せます。(サッシも改修しています。)
0017.jpg
親所帯の和室です。
雰囲気があって、興味をそそられる屏風ですね。
でも、今回和室はなくなってしまうので、別のお部屋へ引っ越ししてもらいました。
IMG_3905.jpg
収納の充実したキッチンです。
左奥の食器棚の次に引出しが見えますが、その上部はロールスクリーンで隠れています。
ここに仏壇を置いているのです。
仏壇は家族のいるLDKにあるのがよいと希望される方が多いのですが、やはり見た目には違和感があります。
それというのも、和風で、しかも独特のあのデザインが、どうにも洋風のLDKに合わないことが多いのです。
解決方法のひとつは、仏壇を洋風に買い換えること。
でも、それはそれで抵抗のある方がいらっしゃいます。
もうひとつは、このように簡便な方法で隠してしまうこと。
このほうがお手軽です。
0015_2014030316143581b.jpg
こんなふうに、思い切ってリフォームしてしまうと、生活が全く変わっていきます。
「快適になりました!」という奥様の喜びの声を聞いて、わたしたちもうれしくなりました。

SS

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[2014/05/22 06:56] | P邸(木造戸建住宅) | page top
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